レッドブルとは違うんで。マクラーレン、絶対王者とのF1タイトルマッチで“勝利至上主義”は採らず「真っ向勝負で戦う」

AI要約

マクラーレンはレッドブルとの真っ向勝負を宣言し、F1タイトルを争う準備が整っている。

チーム内では勝利への飢えと自信が満ち溢れており、ミスを犯した場合も徹底的に解析し、修正している。

レッドブルとのタイトル争いに加え、良いストレスとしての勝利への期待がチームを前進させている。

レッドブルとは違うんで。マクラーレン、絶対王者とのF1タイトルマッチで“勝利至上主義”は採らず「真っ向勝負で戦う」

 マクラーレンのザク・ブラウンCEOは、F1タイトルを争う相手となる”絶対王者”レッドブルに対して、チームとして「真っ向勝負」を挑む用意があるという。そしてチームが勝利を狙うあまり、“意地の悪い”レースを展開することはないと明言した。

 マクラーレンはマシンにアップデートを連投し、ここ最近でレッドブルとのパフォーマンス差を詰め、直近6戦では最もポイントを稼いだチームとなった。

 マクラーレンの躍進、そしてオーストリアGPでランド・ノリス(マクラーレン)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が優勝争いの末に接触したことを受けて、ブラウンCEOとレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表が言葉で軽いジャブを打ち合う場面も見られた。

 レッドブルの2台目に乗るセルジオ・ペレスが苦戦を強いられていることで、コンストラクターズランキング首位のレッドブルとランキング3番手マクラーレンは78ポイント差に。マクラーレンは、これまでは可能性が低いと見られていたコンストラクターズタイトル争いに名乗りを上げた。

 2024年シーズン後半戦はレッドブルとマクラーレンの一騎打ちになるとも予想される中、ブラウンCEOは限界を超えることなくレッドブルに挑む準備が整っていると語った。

「我々は真っ向勝負で戦う準備ができている」とブラウンCEOは言う。

「マクラーレンはバトルをする時に、“意地の悪い”やり方はしない。真っ向勝負をする時に、意地悪くなる必要はないと思う」

「時として、彼らは勝利至上主義になることがある。それは我々の戦い方ではないが、我々なりのやり方で彼らと戦うことができる」

 ノリスは今季のマイアミGPでF1初勝利を挙げたが、その後チームはノリスとコンビを組むオスカー・ピアストリを含め、戦略ミスによって勝利へ挑むチャンスを失ってきた。

 イギリスGPでは、メルセデスのルイス・ハミルトンがマクラーレンの今季2勝目を阻み、フェルスタッペンは必ずしも最速のマシンを手にしていない週末でも3勝をマークした。

 時折の表彰台獲得ではなく、勝利を狙えるチームとして高まる期待にマクラーレンはどう対処しているのかと尋ねると、ブラウンCEOは「良いストレス」がチームのピットウォールに影響を及ぼすことはないと答えた。

「エキサイティングなことだ。『勝利を争っているのだから、これを間違うことはできない』という、良いストレスだと思う。4位や5位、8位を争うとなるとまた違ってくる」

「でも楽しいことだと思う。私はピットウォールにいて、アンドレア(ステラ/チーム代表)やランディ(シン/レーシングディレクター)が率いるチームの雰囲気を感じる……はたから見たら、優勝争いをしているのか、10番手を争っているのか分からないだろう。みんな、それを見たいんだと思う」

「ピットウールでは『大変だ、我々がリードしている』ということは何もない。いつも通りだし、チームは間違いなくやる気満々だ」

 マクラーレンが優勝争いに戻ってきたのは比較的最近のことだ。しかしブラウンCEOは、チームにはここ最近のレース遂行上のミスを修正できるだけの“勝利のDNA”が流れていると主張した。

「マクラーレンの内部には、レース勝利やチャンピオンシップを争う経験が沢山ある。私にとっては少し新しいことだが、アンドレアはマクラーレン内部の多くの人たちと同じように、世界最高のドライバーと最高のチームのひとつで、その経験を積んできた」

「我々はそれに飢えているし、自分たちに対してとても批判的だ。ミスを犯した場合は直接話し合うし、レース後の分析も綿密に行なう。しかしチーム内には大きな自信が溢れている」