“接戦での雪辱”が超伝統校を変えた! 星稜が悲願の優勝を目指して「大変革中」

AI要約

星稜高校野球部の強さと成長を探る。今年の実績や課題、意欲に焦点を当てる。

山下智将監督のコメントやチームの敗戦に対する振り返りを紹介。

星稜チームの成長にとって重要なターニングポイントとなる出来事を述べる。

“接戦での雪辱”が超伝統校を変えた! 星稜が悲願の優勝を目指して「大変革中」

 2024年度の第106回全国高校野球選手権石川大会の組み合わせが6月28日に決定した。その中で注目したいのが、星稜高校だ。第54回明治神宮野球大会優勝、今年の第96回選抜高等学校野球大会は県勢初となるベスト4進出を果たし、春季北信越大会では準決勝で惜敗したものの、実力ある高校として全国に存在感を放っているのは確かだ。

 そんな星稜野球部のOBが山下 智将監督に話を聞き、知られざる強豪・星稜の「変革」に迫った。

 今年のセンバツでは強豪校との戦いを勝ち抜き、ベスト4進出を果たした星稜だが、山下監督はこの結果にあまり満足していなかった。

「能登半島地震があったタイミングでこうしてベスト8の壁を乗り越えられた事は、自分たちの力だけではなく、見えない力もあったと思い、満足はしていないが結果としては良かった」

 接戦を繰り広げ、ベスト4という称号を得てもなお、満足せず進化を求める星稜だが、敗れた健大高崎戦をこう位置づけている。

「1点を取ることは難しいし、1点を防ぐというのも難しい。あの試合に限った話ではないが、やはりちゃんと守って、少ないチャンスをものにする事が今後の課題だった」(山下監督)

 野球というスポーツにおいて1点というものは大きな存在であり、1点を取り、1点を防ぐというような接戦を制する野球は難しい。ロースコアでも勝利を収めることが課題であった星稜高校にとって、一点差のような競ったゲームはこれだけでは無かった。

 6月3日、春季北信越大会準決勝が行われ、星稜は東京都市大塩尻と対戦、延長11回に及ぶ戦いの末、7対9で悔しい敗戦となった。接戦を再びものにできなかった事について、山下監督はこう振り返る。

「このチーム自体があまり負けを知らなかったチームであり、新チーム発足時から公式戦はセンバツの準決勝しか負けていなかったという中で、もしかしたら気の緩みがあったのかもしれない。記録上は5つのエラーであるが、記録にならないミスを含めれば20(個)近くはあった。なかなか起きないであろうミスが起きたというのは、技術的な要因のほかにあったと思います」

 またこのミスについて、「本来やっていれば出ないようなミス」だと話した。この結果は星稜にとって、ターニングポイントとも言える、大きな役割をもたらした。