熊本国府エース坂井理人、ノーノー逃すも8回1/3を1安打0封 春夏連続出場へ快勝発進/熊本

AI要約

熊本国府が芦北を6-0で下し、春夏連続出場に向けて快勝した。

エース右腕の坂井理人投手が8回1/3を10奪三振の1安打無失点の快投を見せ、ノーヒットノーランに近づくも9回でヒットを許す。

坂井の好投やチームの成長が評価され、山田監督も選手たちの活躍を称賛した。

<高校野球熊本大会:熊本国府6-0芦北>◇10日◇2回戦◇リブワーク藤崎台

 今春センバツ出場の熊本国府が6-0で芦北を下し、春夏連続出場へ快勝発進した。

 ドジャース山本由伸投手(25)のフォームをまねるエース右腕、坂井理人(まさと)投手(3年)が8回1/3を10奪三振の1安打無失点。9回先頭打者の代打に初ヒットを許すまで、人生初の無安打無失点ペースの快投で貢献した。

 「熊本の山本2世」こと坂井が無安打無失点目前の快投で初戦突破に導いた。無念にも9回無死で快記録を絶たれた。先頭打者の相手8番の代打に「8回からノーヒットノーランを意識したが、気持ちの焦りからか甘く入った。抜けて『わーっ』と思った」という初球カーブを打たれ、中前に初ヒットを許した。

 直後に得意のけん制で刺して、そこでお役御免。ベンチへ、照れ笑いを浮かべて戻った。収穫の多かった夏初登板を「80点ぐらい。あと20点は最後まで投げきれなかったので」と振り返った。

 野球を始めた小3から人生初という偉業まであと1歩だった。ドジャース山本投手をまねるフォームから130キロ台直球で内外ギリギリのコーナーを突き翻弄(ほんろう)した。5回から回をまたぐ4連続の10奪三振など絶好調で、8回まで1回に二塁失策の走者のみ。主に内野ゴロを打たせ、外野フライアウトは4個だけ。キレが増したスライダー、フォークなど変化球も効果的だった。

 この日、4回途中から雨の影響で約1時間中断した。だが、気持ちを切らさなかったことも成長の証しだ。普段7回で交代することが多いという。そんな中で、公式戦初完封こそ逃したが、終盤まで抜群の安定感だった。山田祐揮監督(31)も「初戦で成長を見せてくれた。センバツはタイミングを外す変化球だったが、空振りを取れるようになったことが春以降の成長」と評す活躍で、二塁打1本を放つなど大黒柱の存在感だった。【菊川光一】