【バドミントン】同い年の桃田の分も…西本拳太、ライバルの言葉胸にパリ五輪「ダークホースに」

AI要約

29歳のバドミントン選手、西本拳太が初の五輪代表として強化合宿を公開。金メダル獲得に意気込む彼の闘いを描く。

17年の夏、世界ランク1位の桃田賢斗からの励ましを受け、西本は強くなり続ける決意を固める。年齢を言い訳にせず、全盛期がこれからだと誓う。

粘り強さと"雑草魂"で知られる西本は、20大会以上の選手出場数をこなし、パリ五輪切符を手に入れた。簡単に終わることのない彼の挑戦が続く。

 ライバルからの言葉を胸に、初の夢舞台へ-。パリ五輪バドミントン代表は12日、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターで強化合宿を公開した。男子シングルスの西本拳太(ジェイテクト)は29歳にして初の五輪代表。「金メダルを取って、ダークホースになる」と力強く誓った。

 常に前向きさを失わないのは、ある言葉が忘れられないから。実業団1年目だった17年夏。早々に敗退する試合が続き、思い悩んでいた。カナダ・オープン期間中。つい弱気になり「もう終わりかも」とつぶやいた。すると一緒に食事を囲んでいた1人の男から言われた。「お前はそんなに簡単に終わらないだろ」。後に世界ランク1位となる桃田賢斗だった。同じ94年生まれで、切磋琢磨(せっさたくま)してきた仲間からの声。「そう言われて救われた」。心に刺さった。

 そこからはしぶとかった。東京五輪を逃しても腐らない。昨年5月から約1年に及んだパリ五輪選考レースでは20大会前後に出場する選手が多い中、27大会を転戦。粘り強くポイントを重ね、五輪切符をつかんだ。だからこそ、この日もいつものように言った。「年齢は言い訳にしない。これからが全盛期なので」。パリの舞台でも、簡単に終わるわけにはいかない。【藤塚大輔】

 ◆西本拳太(にしもと・けんた)1994年(平6)8月30日生まれ、三重県伊勢市出身。埼玉栄高、中大を経て、17年にトナミ運輸へ入社。20年からフリーで活動し、22年からジェイテクトへ加入。19年に世界ランク9位。22年ジャパン・オープンでワールドツアー初制覇。座右の銘は「雑草魂」。身長180センチ。