9人から始まったチーム 小林は心鍛え「自分たちのプレーできた」

AI要約
小林が逆境から立ち上がり、チームをリードする主将の姿選手たちの団結と成長の物語苦境を乗り越え、チームとして成長を遂げるプロセス
9人から始まったチーム 小林は心鍛え「自分たちのプレーできた」

 (10日、第106回全国高校野球選手権宮崎大会2回戦 小林0―10富島)

 四回表、交代した相手エースに連続で三振をとられ2アウト。「自分の持ち味であるフルスイングをしよう」。打席に立った小林の元宙大(はじめ・そら)主将(3年)は、外の真っすぐの球を反射的に打ち返した。

 思ったような打球にはならなかったが、一塁に全力疾走して内野安打に。この日のチーム2本目のヒットで意地を見せた。

 昨秋、新チームの選手は9人。「試合の時は相手チームの人数に圧倒されて、チームに元気が出なかった。自分たちの野球ができないという思いがあった」。冬の間、きついトレーニングでも声を掛け合って、「とくにメンタルを鍛えてきた」という。

 春には新たな部員も加わり、「勝てるチームになった」。迎えた夏はシード校との初戦。「相手がどこだろうと自分たちのプレーをする」と臨んだ。初回に点をとられてもベンチで「ここからだ」と声を掛け合い、守備につくとセンターから「落ち着いていこう」「アウト一つずつとっていこう」と仲間に向かって声を出し続けた。

 三回までに9点の差をつけられながらも、四回は気持ちを切り替え無得点に抑え、最後までしっかり守る自分たちのプレーができたと振り返った。チームとともに、「自分自身も主将をやらせてもらって選手として、人間として成長できた」。(後藤たづ子)