ノーシードから頂点狙う八王子 2016年以来の甲子園へ「絶対に甲子園に行く」

AI要約

八王子野球部が夏の甲子園を目指して強化を図る様子が描かれる。

過去の敗戦から学び、チーム全体で意気込みを固める主将や選手たちの姿が描かれる。

悔しさをバネにして厳しい練習と切磋琢磨を重ね、甲子園出場を目指す八王子野球部の取り組みが描かれる。

ノーシードから頂点狙う八王子 2016年以来の甲子園へ「絶対に甲子園に行く」

2016年に初めて夏の甲子園に出場して、当時は「ありんこ軍団」と称された八王子は、この夏は、ノーシードから挑む。

チームをまとめる主将・豊田俊冶は、「根拠も理由もないですが、絶対に甲子園に行く。そこを全員で意思統一して毎日練習をしています」と鬼気迫る真剣な面持ちで、夏への意気込みを語っている。

覚悟の強さを感じさせる一言だった。それは、この1年間の戦績があるからだろう。

豊田主将たちの世代は秋、ブロック予選の初戦で東海大高輪台に勝ったものの、聖パウロの前に敗退。「やってしまった」と豊田主将も悔しさを残した八王子は翌春は、2016年に甲子園に出場した世代以来となる予選からのスタートとなった。

「1番やってはいけないことだと思っているんですけど、新チームスタート時からサインミスなど、細かいミスがあったんです。守備でも、投手を中心にリズムができなかったので、捕手として、主将として、秋はもっと工夫ができたと反省が出ました」(豊田主将)

まずは練習で緊張感を作るように、秋を終えてから厳しい声掛けを心掛けてきた。細かなミスを減らすため、強いチームを作り上げるため、そして春はリベンジをするために。選手間で互いを叱咤激励するオフシーズンを過ごしてきた。

守備のリズムを作れなかった投手陣も危機感があった。特にエースだった佐藤順成は、「立ち上がりの悪さなど、自分の不甲斐ないピッチングで負けてしまった」と悔しさを胸に冬場を過ごした。

計測機器・ラプソード、さらにはハイスピードカメラなど、最新機器を活用してレベルアップを図ってきた一方で、野手陣についても、「守備については課題がありましたけど、とにかく春は勝ちたいです」と豊田主将はやる気満々で春を迎える。

そんな八王子はブロック予選を無事に突破したが、4月からの都大会の初戦・八王子北には、延長戦の末に敗れた。中盤まで主導権を握っていたが、終盤に大量失点をしてから流れが変わり、延長戦にもつれた末に、5対6で敗れた。

「プレッシャーのかかった部分で気持ちの弱さが出て、自分たちの甘さが出た」と秋の時の課題が違う形で出てしまい、春を終えてしまった。

この1年、大会での上位進出が叶っていない八王子。集大成の夏へ、これまで以上に練習はもちろん、普段の学校生活から厳しいムードでやることはもちろん、地方の強豪校との練習試合を経て、「1球の重さを再確認できた」と強者との戦いの中で様々なことを学んできた。

6月の抽選会の結果、初戦は都立西に決まった。豊田主将は「どこが相手でも変わらないと思っている」と目標の甲子園へ、やることは変わらない。

「今のままでは甲子園には届かないですし、3年生は最後の大会なので、後輩に対して執念を見せれば、チームは変わると思います。そうやって大会を通じて強くなって、目標の甲子園に行きたい。そのためにも、まずは良い形で大会に入りたいと思います」(豊田主将)

1年間、大会を通じて悔しさを経験し続けてきた八王子。しかし、その分だけ練習に対して真剣に向き合い、選手間で切磋琢磨してきた。ここまでの悔しさをぶつけるためにも、この夏は躍進を見せることができるか。