オワードがパロウとの一騎打ちを制し、新ハイブリッドユニット導入初レースを勝利/インディカー第9戦ミド・オハイオ決勝

AI要約

7月7日、アメリカ・オハイオ州で開催されたミド・オハイオ・スポーツカーコースでの2024年NTTインディカー・シリーズ第9戦『ホンダ・インディ200アット・ミド・オハイオ』で、アロウ・マクラーレンのパト・オワードが新ハイブリッド・パワーユニットを用いて優勝した。

新しいハイブリッド・パワーユニットの導入により、ドライバーの操作と自動的なエネルギーの貯蔵が可能になり、オーバーテイクを促進するプッシュ・トゥ・パス・システムと併用されている。

パロウとオワードの激しい一騎打ちの結果、オワードが僅差の0.4993秒差で優勝し、パロウは2位となった。

オワードがパロウとの一騎打ちを制し、新ハイブリッドユニット導入初レースを勝利/インディカー第9戦ミド・オハイオ決勝

 7月7日、アメリカ・オハイオ州にあるミド・オハイオ・スポーツカーコースにて、2024年NTTインディカー・シリーズの第9戦『ホンダ・インディ200アット・ミド・オハイオ』の決勝レースが行われ、アロウ・マクラーレンのパト・オワードが新ハイブリッド・パワーユニットでの初レースを制した。

 第9戦から新しいハイブリッド・パワーユニットを導入したインディカー。このハイブリッドシステムは、このシーズン前半戦まで使って来ている2.2リッターV6ツインターボエンジンに、60馬力のモーターを接続したもの。

 モーターで作り出されるエネルギーの貯蔵が自動的にも、ドライバーの操作によるマニュアルでも行われ、その出力がドライバーの意思によってマニュアル操作で行われる。さらにオーバーテイクを促進させるプッシュ・トゥ・パス・システムと併用が可能だ。

 予選ではポイントリーダーのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)が今季3度目のポールポジションを獲得し、決勝レースへと挑んだ。

 フォーメーションラップ中、 13番手スタートのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)がマシントラブルでコース上でストップ。ランキング3位につけているディクソン、過去6勝を挙げるミド・オハイオで手痛いリタイアとなってしまった。

 4周目にレースはグリーンフラッグが振られ、スタートを迎える。パロウがトップをキープし、オワード、デイヴィッド・マルーカスが続く。

 パロウはトップを快走し、レースをリード。オワードも約5秒差で2番手をキープする。

 1回目のピットストップで先に動いたのはオワード。27周目終わりでピットへと向かう。翌周、トップのパロウもピットイン。ふたりの差は縮まらずセカンドスティントへ。

 オワードは徐々にパロウに迫り49周目には3秒以内に入り、パロウの影を掴み始める。さらに自己ベストを続けたオワードは、0.4秒差として、54周目終わりで2回目のピットインへ。

 一方、パロウはこの周でバックマーカーに手間取りタイムロス。1周遅れでピットへと向かう。オワードと同じくブラックタイヤを選択したパロウだったがピット作業後の発進で少し遅れ、ピットアウトでオワードが前に立つことに。

 オワードとパロウ、ふたりの一騎打ちとなったラストスティント。パロウは1秒差以内に近寄りオワードにプレッシャーを与え続ける。

 しかし、オワードは隙を見せずトップをキープ。そのまま今季2勝目となるチェッカーフラッグを受けた。パロウとの差は0.4993秒。今季のロード/ストリートレースで最も僅差のフィニッシュとなった。

「厳しいレースだったよ。レッドタイヤでは本当に強かったが、パロウはブラックで速かった。だから、僕がやるべきことはセカンドスティントのレッドタイヤでギャップを縮めることだけだった」

「チームは素晴らしい仕事をしてくれた。久しぶりだね。ちゃんとした勝利だよ」とオワード。セント・ピーターズバーグではジョセフ・ニューガーデンの失格により勝利だったため、トップチェッカーは2022年のアイオワ戦以来だ。

 2位となったパロウは、「オルタネートタイヤ(レッドタイヤ)を長持ちさせることができなかった。パトが追い上げてきて、僕にできることはほとんどなかった。フロントタイヤをダメにしてしまっていたんだよ」

「ピットストップが遅かった。1速に入れることができなかったんだ。スピードを出そうとしすぎたから、自分のせいだ。それでも、いいレースだった。楽しかったし、しっかりした1日だったよ」とレースを振り返った。

 パロウは、ランキング2位のウィル・パワー(チーム・ペンスキー)に48ポイント差に広げポイントリーダーをキープ。オワードは70ポイント差のランキング3位に浮上している。

[オートスポーツweb 2024年07月08日]