9球団スカウトが視察 鹿児島実の最速151キロ右腕の潜在能力に高評価 4失点投球には反省も

AI要約

鹿児島実の最速151キロ右腕、井上剣也(3年)が8回2/3を投げ4失点と制球に苦しみながらも勝ち進んだ。

九州屈指の本格派右腕がスカウトの注目を集め、6回に逆転を許すも味方打線の活躍で逆転勝利を収めた。

井上剣也は制球力に課題を抱えながらも、ピッチングに対する成長意欲を示し、さらなる向上を目指している。

9球団スカウトが視察 鹿児島実の最速151キロ右腕の潜在能力に高評価 4失点投球には反省も

 ◆第106回全国高校野球選手権鹿児島大会1回戦鹿児島実7―4大島(9日・鴨池市民球場)

 鹿児島実の最速151キロ右腕、井上剣也(3年)が先発し、8回2/3を投げ4失点と制球に苦しみながらも勝ち進んだ。

 九州屈指の本格派右腕を見ようと9球団のスカウトが集まった。1回からこの日の最速149キロをたたき出した右腕は、140キロ台の直球中心の投球で5回まで1安打に抑えた。ところが3点リードの6回、相手打線につかまり4安打を浴びて4失点。一時は逆転を許す展開になった。

 序盤から変化球の制球が定まらずに速球で押してきたが、6回はその直球を狙い打ちされた。直後の6回裏に味方打線が逆転し、終盤にさらに2点を加えたが、井上は完投目前の9回2死で交代。「6回は打たれて焦ってしまった。今日はチームの足を引っ張ってしまった。打線に助けられました」と勝利にも笑顔はなかった。

 課題は制球力。コントロールを意識しながらブルペンで投げ込んできたが「今日の投球は全く納得できなかった」と成果を見せられなかったことを悔やんだ。

 スタンドから投球を見つめた中日の三瀬幸司スカウトは「体ができて正しいフォームが身につけば、もっとスピードが出る可能性はある」と潜在能力を評価し、DeNA篠原貴行スカウトは「この出力というのは誰もが持っているわけではないので魅力の一つ。これからが楽しみ」と成長を期待した。

 「コントロールをつけるために、これからも練習していきます」。昨夏の準決勝の神村学園戦で先発し、敗れた悔しさをこの夏に晴らすために1年間頑張ってきた。決勝でライバルにリベンジするまでは負けるわけにはいかない。(前田泰子)