サッカー日本代表・森保一監督は怒った「目標は何だ」…メモやコーチ陣の対話、「森保流」の今

AI要約

森保一監督はサンフレッチェ広島の指揮を執り、チームづくりのコンセプトとは個々のレベルアップと組織的な戦いの両立だった。

前任者のスタイルを柔軟に取り入れながらも、攻守のバランスを重視し結果を残した。

槙野智章さんからは、森保監督が選手たちを鼓舞し、チームを落ち着かせる指揮ぶりに敬意が表されている。

 サッカー男子日本代表の森保一監督が、読売新聞ポッドキャスト「ピッチサイド 日本サッカーここだけの話」に出演した。番組MCで元日本代表、現在は品川CCで指揮を執る槙野智章さんが森保監督の「監督論」について聞いた。

 森保さんは現役引退後に指導者の道に進み、2012年にサンフレッチェ広島の監督に就任。広島の生え抜き選手でトップチームの監督に就任したのはクラブ史上初。3度のJ1優勝という結果も残した。広島時代にチームマネジメントで意識したこととは?

 「個々のレベルアップをしていくことを根幹に持ちながら、サンフレッチェが前身のマツダサッカークラブ時代からやってきた『組織的に戦う』というコンセプトを忘れず、みんながチームのために戦う」。森保監督が強調するチームづくりのコンセプトだ。

 サンフレッチェのDNAを受け継ぐとともに、前任者のスタイルも柔軟に取り入れた。

 「私の前任がペトロビッチさん(現・北海道コンサドーレ札幌監督)で、マイボールを大切にするという素晴らしいサッカーをされていた。そのサッカーは広島の人たちにすごく愛され、共感を呼んでいたので、『マイボールを大切にすること』イコール『個々の技術レベルを上げる』ということで継続したと思っていました」

 就任した2012年シーズンから結果もついてきた。得点はJ1全18チーム中で2番目に多く、失点は2番目に少なかった。ペトロビッチ時代に磨いた攻撃的スタイルに、守備の安定が加わった。

 「私は相手のボールを奪うことが大好きで、そこから攻撃につなげるのが大好きな選手でもありました。守備を安定させて攻撃につなげるのが、攻撃陣の良さを引き出すと思っていた。勝つために守備も必要なこととして、チームづくりに反映させたいと思ってました」

 攻めて良し、守って良し。さらに槙野さんは「プレーしている選手たちが生き生きしてるし、チームが苦しい時間帯も森保さんがサイドラインで落ち着いて指揮を執っていた。(サンフレッチェの)選手にも『これでいいんだろうな』と伝わっていた印象がある」と振り返る。