中上貴晶、タイヤ選択も奏功し今季5度目の入賞「最終ラップは全力を尽くした」/MotoGP第9戦ドイツGP 決勝

AI要約

土曜日の予選で苦戦した中上貴晶が、14位で5度目のポイントを獲得した

タイヤの選択に悩んだが、ハードタイヤが正解であり、最後まで全力を尽くした

前半戦を終えて、中上は改善を見せつつも苦戦が続く中、粘り強い走りを続けている

 7月7日、2024年MotoGP第9戦ドイツGP MotoGPクラスの決勝レースがザクセンリンクで行われた。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は14位で終え、今季5度目のポイントを獲得した。

 土曜日は初日に比べて気温と路面温度ともに上昇したことにより、中上はタイヤの摩耗に苦戦を強いられた。一時はホンダ勢の最後尾まで順位を落としたが、追い上げを見せて18位でフィニッシュ。決勝レースに向けてのデータも収集できたようで、引き続き準備を進めていた。

 朝のウォームアップ走行を16番手で終えた中上は、決勝でハード/ミディアムのタイヤを選択。まずは、17番手を維持してオープニングラップを終え、ホンダ勢トップで後方を従えていく。序盤から前方を走るライダーのひとりがリタイアしたこともあり、ひとつ順位を上げると、13位争いのグループを形成。

 熾烈なバトルを展開するなかで、一時はマリーニに先行を許す場面もあったが、安定したペースを刻んでいた。16番手で迎えたファナルラップ、ようやくマリーニを仕留めて15位を取り戻し、チェッカーを受けた。しかし、レース終了後に14位で先着したアウグスト・フェルナンデスアウグスト・フェルナンデス(レッドブルGASGASテック3)が、タイヤの内圧違反で16秒のタイム加算のペナルティーが科せられた。それにより、中上は14位に繰り上がり2ポイントを獲得した。

 ホンダ最上位の14位で前半戦を締めくくった中上。前半の計9戦において、スプリントはノーポイントだが、決勝では計5度に渡ってポイントを獲得した。少しずつ改善は見られるものの、苦境から抜け出せていないのは事実。しかし、中上はフラストレーションが溜まるなかでも現状況での最善を尽くし、粘り強い走りを披露している。中盤戦以降は、彼自身とマシンにおいてもさらにレベルアップした姿に期待したい。

■LCRホンダ・イデミツ

中上貴晶(決勝:14位)

「ポイント獲得圏内のバトルだったので、最終ラップは全力を尽くしました。最後はルカとの戦いになり、先着することができました。今日はフロントタイヤの選択に悩みました。コースインするまでミディアムにしようと思いましたが、スタートが近づくにつれて青空がのぞいたのでハードにしました。そのおかげでフロントのフィーリングはよく、タイヤ選択は正解でした。これで前半戦が終わりましたが、予想以上に厳しい戦いが続いています。サマーブレイクを終えて後半戦が始まるまで、しっかり身体をつくって準備したいです」

[オートスポーツweb 2024年07月08日]