C・ロナウドの悔し涙にチームが奮起! 死闘の末のPK戦でポルトガルの守護神が神がかりセーブを連発

AI要約

ポルトガルとスロベニアの激闘はPK戦にまで続いた。

試合はポルトガルの攻勢が続く中、延長戦でも決着がつかず。

最終的にポルトガルが3-0でPK戦を制し、ベスト8進出を果たした。

C・ロナウドの悔し涙にチームが奮起! 死闘の末のPK戦でポルトガルの守護神が神がかりセーブを連発

ラウンド16

ポルトガル 0-0 スロベニア

( PK3-0 )

グループリーグを2連勝して早々とノックアウトステージ進出を決めたポルトガルと、堅守で3戦引き分けで辛うじてトーナメントに上がってきたスロベニアが激突した。

ポルトガルはトルコに3-0で勝利した攻撃的な布陣を選択、一方、スロベニアはここまで全ての試合でスターティングメンバーを変更せず、この日は左サイドバックを1人だけ替えて強豪に挑むこととなった。

両チームとも前半は静かな立ち上がりを見せる。ポルトガルが3分に右からのクロス、6分には左からのFKでゴール前にボールを入れるが、両方とも得点には結びつかず。これを機に徐々にポルトガルが安定してボールを持ち始め、試合を支配していく。

すると13分、ポルトガルが決定的なチャンスを迎える。右の高い位置で張ったベルナルド・シウバがカットインしてクロスを選択。中にはフリーのクリスティアーノ・ロナウドが待っていたが、わずかにクロスボールが高く頭で合わせることができない。悔しがって天を仰ぐロナウド、ベンチではロベルト・マルティネス監督が大きなアクションで拍手を送る。

31分にもポルトガルのチャンス。ラファエル・レオンがぽっかり開いたピッチの中央を果敢にドリブル突破すると、ペナルティエリア手前で倒されFKを獲得。キッカーはロナウド、勢いよく蹴り込んだシュートは惜しくもバーの上を通過して行った。35分にもビティーニャの左からのクロスにロナウドがヘディングシュートを試みるがボールは頭の先を通過してしまう。

防戦一方のスロベニアは、時折カウンターを仕掛けるが連携が合わない。35分過ぎには左サイドを抜けグランダークロスを上げるが、ポルトガルDFが先に触りクリアする。ポルトガルは攻め疲れからか、40分過ぎにスロベニアに攻め込まれる場面もあったが、これを防ぎ、前半終了間際にはジョアン・パリーニャのミドルシュートで反撃。だがポストを叩いてゴールラインを割ったところでホイッスルが鳴り前半終了。お互い無得点のまま後半へ。

両チームともメンバー交代なしで後半に突入。スロベニアはハーフタイム明けの立ち上がりに先制点を奪いに来たと見え、明らかに守備の圧力を強める。ポルトガルも二、三のボールロストはあったが、落ち着いて相手をいなし、後半最初のチャンスを得る。

54分にジョアン・カンセロがペナルティエリア付近でファールを受けFKを獲得。再びキッカーはロナウド、この場面も勢いのある助走から思いっきり右足を振り抜くと、鋭いボールがGK正面に飛ぶ。だがスロベニアの守護神ヤン・オブラクが弾いてこのピンチを防ぐ。

後半もポルトガル支配の構図は変わらない。スロベニアは隙をついてカウンターを仕掛けるも、こちらもなかなかゴールが遠い。ポルトガルは流れを変えるために、65分にビティーニャに替えてディオゴ・ジョタを、75分にはレオンを諦め、チコ・コンセイソンをピッチに入れる。対するスロベニアも3枚交代カードを切るが、どちらも決定的なシーンすら作れないまま、0-0のまま後半が終了した。延長戦に突入するのは今大会を通して2試合目となった。

延長前半も互いにメンバー交代がなく始まる。しばらく一進一退の状況が続くが、104分にポルトガルがここ1番のチャンスを迎える。ジョタが中央をドリブル突破し、ペナルティエリアに侵入すると、スロベニアDFがファールを犯しPKの判定に。この千載一遇のチャンスにキッカーはロナウド。ところがこれをGKオブラクがファインセーブでチームの窮地を救う。

すると延長後半開始前のインターバル中のこと。ここまでチャンスを決めきれず、PKまで外してしまった悔しさとエースやキャプテンを担う重責からか、なんとロナウドがチームが輪になって話し合っている最中に涙を流してしまう。ただこの思わぬ事態にも、ポルトガルの動揺はなかった。チームの絆は強く、仲間がロナウドを鼓舞しピッチに送り出す。

だがスロベニアも決して集中力を切らさない。延長後半が開始してもポルトガルにまともなチャンスすら作らせないでいると、114分にはスロベニアが決定的なチャンスを迎える。ペペが最終ラインでまさかのトラップミスを犯し、ベンヤミン・シェシュコがそれを奪う。そのまま持ち運び、GKと1対1となりシュートを放つも、今度はポルトガルの守護神ディオゴ・コスタがスーパーセーブを見せる。こうして互いが得点を許さまま、とうとう120分が経過。死闘の決着はPK戦に委ねられることになった。

ところが両チームの守護神が好セーブを見せたPK戦は、意外な結末が待っていた。先攻のスロベニアが3人連続で外すと、ポルトガルはロナウド、ブルーノ・フェルナンデス、ベルナルド・シウバと役者がしっかりとゴールに沈め、この長い戦いをあっさり制した。ポルトガルは攻撃に課題が残りつつも、なんとかベスト8に駒を進めた。

[スコア]

ポルトガル 0-0 スロベニア

( PK3-0 )

[得点者]

ポルトガル

なし

スロベニア

なし

[ラインナップ]

ポルトガル

監督:ロベルト・マルティネス

GK

ディオゴ・コスタ(ポルト)

DF

ぺぺ(FCポルト)

ルベン・ディアス(マンチェスター・シティ)

ヌーノ・メンデス(パリ・サンジェルマン)

ジョアン・カンセロ(バルセロナ)

MF

ジョアン・パリーニャ(フラム)

ブルーノ・フェルナンデス(マンチェスター・ユナイテッド)

ビティーニャ(パリ・サンジェルマン)

FW

ベルナルド・シウバ(マンチェスター・シティ)

クリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)

ラファエル・レオン(ミラン)

交代出場・退場

65分 ビティーニャ→ディオゴ・ジョタ(リヴァプール)

76分 レオン→チコ・コンセイソン(FCポルト)

117分 ぺぺ→ルベン・ネベス(アル・ヒラル)

117分 カンセロ→ネルソン・セメド(ウォルヴァーハンプトン)

スロベニア

監督:マティアジュ・ケク

GK
ヤン・オブラク(アトレティコ・マドリード)

DF
ジャン・カルニッチニック(NKツェリェ)
ヴァニャ・ドルクシッチ(PFCソチ)
ジャカ・ビヨル(ウディネーゼ)
ユレ・バルコヴェツ(アランヤスポル)

MF
ペタル・ストヤノビッチ(エンポリ)
アダム・グネズダ・チェリン(パナシナイコス)
ティミ・マックス・エルシュニク(NKオリンピア・リュブリャナ)
ヤン・ムラカル(ピサ)

FW
アンドラス・スポラル(パナシナイコス)
ベンヤミン・シェシュコ(ライプツィヒ)

交代出場・退場

74分 ムラカル→ヨン・ゴレンツ・スタンコビッチ(シュトルム・グラーツ)

75分 スポラル→ザン・ツェラル(ルガーノ)

86分 ストヤノビッチ→ベンヤミン・ヴェルビッチ(パナシナイコス)

105分 エルシュニク→ヨシプ・イリチッチ(NKマリボル)