【全日本大学駅伝】「失敗を振り払いたい」2大会連続本戦出場の帝京大学、先輩が味わった悔しさを自分たちで晴らす

AI要約

帝京大学は全日本大学駅伝関東地区選考会で6位となり、2大会連続16回目の本戦出場を決めた。

チームはエースだけに頼らず、主将や他のメンバーも活躍し、伊勢路への切符を手に入れた。

各組のランナーたちが持ちタイムを超える走りを見せ、最終的に6位で本戦に進出した。

【全日本大学駅伝】「失敗を振り払いたい」2大会連続本戦出場の帝京大学、先輩が味わった悔しさを自分たちで晴らす

6月23日の全日本大学駅伝関東地区選考会で帝京大学が6位となり、2大会連続16回目の本戦出場を決めた。5月の関東インカレ男子2部10000mで28分04秒54の帝京大記録をマークし、4位入賞の主将・山中博生(4年、草津東)を3組で起用。エースだけに頼らないチーム戦で、伊勢路への切符をたぐり寄せた。

1組は昨年と同じ福田翔(4年、世羅)と柴戸遼太(3年、大分東明)の2人で臨んだ。「2人とも経験はあるので、そこまで丁寧な打ち合わせはしませんでした。お互いに分かっていることなので、あまり声かけをせずに、リラックスしながら『去年より良い結果を出していこう』と言うぐらいでした」と福田。昨年は蒸し暑く「耐久レース」になっていたが、今年は気候も良く「いつも通りの走りをしていけば、結果はついてくる」と平常心でスタートラインに立った。

東洋大学の岸本遼太郎(3年、高知農業)や松井海斗(1年、埼玉栄)が例年より早いペースで集団を引っ張ることも、2人にとっては想定内。福田は「アップからすごく体が動いていた中で、『ハイペースになるかな』という予想もあった。スタート後は『あ、やっぱり』と思ったので、自分の中ではそんなに驚きもなく、冷静にレースを進められたかなと思います」。福田は組11着、柴戸は23着でフィニッシュ。チームとしては暫定9位だったが、「他のメンバーの調子も良かったので、1組目で安定した走りをすることが自分の役割」(福田)と焦ることなく、続く仲間に託した。

2組には年始の箱根駅伝で5区山登りを担った尾崎仁哉(3年、東海大福岡)と高校時代に5000m13分台を出して入部時から期待された楠岡由浩(2年、慶誠)が出場。スローペースで進み、ラストのスピード勝負となる中、楠岡は組13着。尾崎は22着。暫定10位となり、ボーダーの7位山梨学院大学とは約17秒差で後半に入った。

3組を任された山中は、持ちタイムで東洋大の石田洸介(4年、東農大二)をも上回り、チームにとってもここで本戦出場圏内に押し上げることが求められた。ただ山中自身は関東インカレ後、苦しい時期を過ごしてきたと言う。「本来ならダメージがあるはずなのに、そこで無理してしまって、メリハリをつけた練習ができなかったんです。関東インカレ後、2週目あたりから調子を崩してしまって、そこから流れに乗れない部分がありました。練習ができているときほど、慎重にならないといけないということを、改めて感じました」

レースは石田のほか、早稲田大学の伊藤大志(4年、佐久長聖)、順天堂大学の吉岡大翔(2年、佐久長聖)といったスピードランナーが集団を引っ張り、あっという間に縦長に。帝京大は原悠太(2年、大阪)が4番手につき、2人挟んで山中が続いた。「自分が思っていた以上にレベルの高い選手たちが集まっていた」と山中。思うように練習が積めてこなかった中でも、ラストは「持ちタイムトップだから、最低限チップを取らないといけない」という意地だった。最後の直線で吉岡をかわして、石田、立教大学の林虎大朗(4年、大牟田)と國安広人(3年、須磨学園)に続く4着でゴール。原も15着で粘り、暫定6位で最終組を迎えた。

「練習ができている2人に任せることになった」と山中が言う帝京大の4組は、福島渉太(4年、小林)と島田晃希(3年、高田)。福島は東海大学の兵藤ジュダ(3年、東海大静岡翔洋)といった有力ランナーと日本人集団の前方でレースを進め、組18着。島田は組21着で、昨年と同じ6位で本戦出場をつかんだ。