大谷翔平「もうみんなでカバーしていくしかない」山本由伸&ベッツ離脱で1番起用へ 昨季エンゼルスは急失速

AI要約

大谷翔平投手が2打席連続本塁打を放ち、リーグトップのホームラン数に迫る活躍を見せる一方、主力選手2人が負傷して離脱が決定。チームにとって厳しい状況が続いている。

大谷は父の日に特大ホームランを含む2発を打ち、そして選手生活初めての記録となる450フィート以上の特大アーチを達成。ドジャースとしては非常に稀な快挙となった。

チームは負傷者が続出する中、大谷がさらなる活躍を求められ、長いシーズンの中で重要な時期に差し掛かっている。

大谷翔平「もうみんなでカバーしていくしかない」山本由伸&ベッツ離脱で1番起用へ 昨季エンゼルスは急失速

◆米大リーグ ドジャース3―0ロイヤルズ(16日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(29)が16日(日本時間17日)、本拠地・ロイヤルズ戦に「2番・DH」でフル出場し、今季2度目の1試合2発となる2打席連続本塁打を放ち、リーグトップのオズナ(ブレーブス)に1本差に迫る19本とした。試合も快勝したが、一方で山本由伸投手(25)が右肩腱(けん)板損傷で負傷者リスト(IL)入り。1番を打つM・ベッツ内野手(31)も左手に死球を受けて骨折が判明し、主力2人の前半戦復帰が絶望的になった。

 強い直射日光の降り注ぐ本拠地に、2本の快音を響かせた。大谷は3回に先制18号ソロを放つと、6回にも19号ソロで追加点。先制弾は中堅左へ今季2番目の飛距離となる451フィート(約137・5メートル)の特大弾で「あそこの方向に飛距離が出てるということは、いい状態じゃないかなと思う。いい気持ち、感覚だったなと思います」とうなずいた。

 4試合ぶりの本塁打で、リーグトップにも1本差。父の日とあって球団公式SNSでは「TORU’S SON(徹の息子)」と紹介され、水色をあしらったスパイクも履いた。父・徹さん(62)は、小・中学校時代、所属チームの監督やコーチで、野球の礎を築いてもらった。父の日弾はともにMVPに輝いた21、23年以来3、4本目だが「あんまり今まで打ってる思い出はなかったですけど、まず打ててよかった」と照れ笑いした。得意とする6月だが、なかなか勢いに乗れず、この2発を含めても14戦5発で打率は2割4分1厘、打点はまだ8だ。前日15日は内野ゴロ3つに倒れていただけに指揮官も「これまでに見た中でベストスイングだった」とホッとしたようにたたえていた。

 その一方で、チームは厳しい状況に立たされた。前日の15日に緊急降板した山本が右肩腱板損傷でIL入り。7回にはベッツが左手に死球を受けて途中交代し、骨折したことが判明した。ただでさえ、ド軍は故障者が続出。その上、主力2人の離脱が決まった。ロバーツ監督は大谷を代役の1番に起用することを示唆。ド軍ではベッツが休養した5月18日のレッズ戦で1試合(4打数無安打)、エンゼルスでも先発で61試合経験している大谷は「本人の早期回復をまず祈りながら、チームとしてそれをカバーできるように頑張りたいなと思ってます」と前を向いた。

 6年間所属したエンゼルスでは、主力に故障者が続きチームが失速することを経験してきた。特に昨季は6月以降にトラウト、レンドンらが次々離脱。6月を終えた段階で4つの貯金があったが、急失速して終わってみれば16の負け越し。勝つことを求めて新天地を選んだだけに「もうみんなでカバーしていくしかない」と語気を強めた。

 貯金15で、地区2位のパドレスとは8ゲーム差。3点のうち、2点をたたき出したような活躍でチームを引っ張っていくことがこれまで以上に求められる。チームは独走状態だが、長いシーズンの中でも今季一番の正念場を迎えることになる。(安藤 宏太)

 ◆ド軍本拠初 450フィート以上の特大アーチを複数本

 大谷の中堅左への18号先制ソロは飛距離451フィート(約137・5メートル)を記録した。MLB公式サイトのサラ・ラングス記者によると、スタットキャストでの計測が開始された15年以降、ドジャースタジアムで450フィート以上の特大アーチを複数本放ったのは「大谷が初めての選手」だという。ド軍全体でも本拠での特大アーチは30球団最少タイの通算12本だけとなっているだけに、大谷の飛距離が群を抜いていることが数字からも分かる。