【大学選手権】 昨秋までは学生コーチ 膝の大けがを乗り越えた中京大・安藤利玖が中部学院大を完封

AI要約

中京大の安藤利玖投手が、右膝の故障から復帰し、神宮での大舞台で初完投、初完封を果たす。

重い直球と精度の高い変化球で中部学院大の打線を封じ、半田監督もその投球を絶賛。

安藤は大けがからの復帰を果たし、チームに貢献し続け、高木投手から受けたバトンを存分に活かした姿を見せる。

【大学選手権】 昨秋までは学生コーチ 膝の大けがを乗り越えた中京大・安藤利玖が中部学院大を完封

◇報知新聞社後援 第73回全日本大学野球選手権▽2回戦 中京大3―0中部学院大(12日・東京D)

 右膝の故障のため、昨秋までは学生コーチを務めていた中京大の安藤利玖投手(4年=安城南)が、神宮の大舞台で大学での初完投、初完封をやってのけた。

 体重99キロのどっしりした体から重い直球を投げ込み、カットボール、ツーシームをコーナーに決める。被安打6、奪三振9。四死球を1つも与えず、中部学院大の打線を封じた。

 「率直にうれしいです。想像もしていなかった舞台。うるっとしそうでした」と安藤。半田卓也監督(41)は「大学で最高の投球だった。行けるところまで行って継投で、と考えていたが、完封とは…」とたたえた。

 1年夏の練習中に、右足半月板断裂の大けがを負った。手術を受けたものの、歩けない時期が長き、大学での野球は断念。学生コーチとしてチームを支えていた。

 転機は昨年秋に訪れた。入れ替え戦を前にバッティングピッチャーを務めたところ、力のある直球が指揮官の目に止まった。「学生コーチの時も、柔軟のトレーニングはずっとやっていたので、それが生きたのかも」と安藤。1年時は144キロだった直球のマックスが、147キロまで伸びていた。今春、リーグ戦デビューを果たすと、4試合3勝0敗、自責点0という素晴らしい数字を残し、この日の先発を勝ち取った。

 日本文理大との1回戦を完封した絶対的エース・高木快大投手(3年=栄徳)から受けた“バトン”を、これ以上ない形でつないだ。安藤は「2回戦は高木なしで勝つ。4年生の意地を見せたかった」と充実感をにじませた。