【マーメイドS・先手必勝】1000メートル通過56秒8の暴走ラップでも逃げ切りV アリスヴェリテが再度の大逃げで魅せる

AI要約

前走のアリスヴェリテが大逃げで勝利。ラスト2ハロンは苦しいものの好時計で押し切る。

柴田裕一郎の思い切った騎乗が功を奏し、次走も大逃げを狙う。

キズナ産駒との相性が抜群で成長力があり、重賞初Vを狙うアリスヴェリテ。

【マーメイドS・先手必勝】1000メートル通過56秒8の暴走ラップでも逃げ切りV アリスヴェリテが再度の大逃げで魅せる

[GⅢマーメイドステークス=2024年6月16日(日曜)3歳上牝、京都競馬場・芝内2000メートル]

 前走の2勝クラスはスタートして外のルソルティールがハナを主張しようとしたが、内枠もあって突っ張っての先行策。仕掛けたことでかかってしまい、道中は後続を20馬身ほど離しての大逃げ。前半1000メートル通過は56秒8の暴走ラップだった。本来なら大失速もやむなしという展開。

 ただ、アリスヴェリテのスピードはその後も衰えることなく1600メートル通過が1分32秒6とオープン級のラップを刻んだ。さすがにラスト2ハロンは12秒4ー12秒8と苦しくなってしまったが、それでも1分57秒8の好時計で押し切ったのだから恐れ入る。

「逃げた方がいい馬だけど、さすがに(柴田)裕一郎もあれは行き過ぎやわ。もう少し道中で息を入れてあげたらもっと楽だったと思う」と振り返るのは中竹厩舎の柴田助手。実は鞍上を務めた柴田裕はこの人の息子。ジュニアの思い切り過ぎた騎乗に苦笑いだったが、3月デビューの新人だからこそできる芸当でもあった。そしてまた、1勝クラスを勝った時も後続を寄せ付けない逃げで押し切ったようにアリスヴェリテの能力を引き出すにはこの“大逃げ”こそが最善策でもあるのだ。

「引き続き同じ舞台。前走の時計で走れれば勝てますからね(笑い)。2勝クラスを勝ったばかりなのでハンデもそこまで背負うことはないと思う」と格上挑戦での大駆けをにらむ柴田助手。この中間の状態については「キズナ産駒で馬体がふっくらして実が入って落ち着きも出てきた。前走を使ってさらに動きが良くなっているし、ここに来ての成長力がすごいですね」と目を丸くする。

 皐月賞馬ジャスティンミラノをはじめ、今年はキズナ産駒が絶好調だが、アカイイト(エリザベス女王杯)、ビアンフェ(函館2歳Sなど重賞3勝)、サヴォーナ(神戸新聞杯&日経新春杯2着)など、中竹厩舎は特にキズナ産駒との相性が抜群。柴田裕が骨折休養中で乗れないため、永島まなみにバトンが渡される今回。おそらく、前走に続く大逃げでスタンドを大いに沸かせてくれることだろう。その上で人馬ともに重賞初Vとなれば、「記憶」にも「記録」にも残るマーメイドSになる。