【阪神】才木浩人「むける皮ないやろ」岡田監督脱帽 8回1安打0封、ノーノーまであと5人

AI要約

阪神・才木浩人投手が日本生命セ・パ交流戦で快投し、8回1死まで無安打無得点を記録。ピンチを乗り越え、1安打ピッチングを披露。チームは3連勝でリーグ2位に浮上。

才木はファンに愛され、試合を支配。足をつりながらも根性を見せ続投。悔しい三塁打を許すも、無失点で試合を締めくくる。

才木は選手としての成長を目指し、究極の直球を求める。今季は好調でリーグトップに立ち、さらなる進化を目指している。

【阪神】才木浩人「むける皮ないやろ」岡田監督脱帽 8回1安打0封、ノーノーまであと5人

<日本生命セ・パ交流戦:阪神3-0西武>◇9日◇甲子園

 惜しかった! でもすごかった! 阪神才木浩人投手(25)が「日本生命セ・パ交流戦」の西武戦で8回1死まで無安打無得点の快投を演じた。右足をつりながら続投。治療の直後、山野辺に悔しい三塁打を打たれた。それでもピンチを無失点でしのいで、ド根性の1安打ピッチング。両リーグ単独トップ7勝目(1敗)、奪三振1位タイだ。チームは今季3度目の3連勝でリーグ2位に浮上した。

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 4万観衆が見守るお立ち台。真っ黄色のスタンドの大歓声に対し「足りないです」とロックスターばりにファンをあおった。割れんばかりの大歓声。「サイコーです!」と、あらためて熱狂を巻き起こした。

 日曜の甲子園を支配した。初回からアクセル全開。岡田監督は完全試合の雰囲気すら感じていたという。3回に四球を出すと「ノーヒットノーランやな」と安藤投手コーチにささやいた。その通り、躍動は加速していく。場内の熱が上がっていくのを才木本人も感じていた。「すごい盛り上がっているな~。そら盛り上がるか、と」。今日は俺が主役だ。

 雨上がりの高温多湿。初回から多量の汗をかいていた。8回、先頭源田に3球投げるとベンチにサイン。右足がつった。続投は難しいと思われたが、ファンの願いに応えるように治療後、マウンドに戻った。続く代打山野辺への3球目。ふわっと上がった飛球が、浜風とは逆の追い風に乗って右翼ポール下へ。森下が飛びついたが届かず、不運な三塁打になった。「悔しいです。こういうチャンスはなかなかない」。そう苦笑いした。

 足に違和感を抱えながらも根性を見せて後続を断ち、無失点。ベンチに戻ると安藤コーチに降板を告げられた。「いけないですかね?」と食い下がったが「来週とかに影響したらどうする」と諭され、悔しそうに首をタテに振った。

 「全試合、完全試合とか。僕が先発したら相手が『最悪や…』と絶望、ダメージを与えられる投手になりたい」。投球同様にスケールは壮大。ドジャース大谷に部分的に似てきたと指摘されても自覚はない。「ボールは物質。地球には重力がある。どう投げたら球が速くなるかの正解は絶対ある。そこに共通のものがあるのではないか」と分析した。出どころの見にくさも考えたことがなく、ただただ究極の直球を求めている。

 今季は2度の1-0完封を含む3完封。7勝は12球団単独トップ。この日の9奪三振で巨人戸郷とトップで並んだ。連敗を何度も止め、今度は3連勝に導いた。才木は一皮むけたか? その問いに岡田監督は「もうむける皮もないやろ。新人ちゃうんやから」と返答。監督、僕はまだまだ進化しますよ-。ここをピークにするつもりは毛頭ない。【柏原誠】