「試合中の雰囲気も素晴らしかった」山本由伸7回0封でヤンキース斬り ド軍8年ぶりヤンキースタジアムで快投

AI要約

ドジャース・山本由伸投手がヤンキースとの激戦で快投を見せ、7回2安打無失点7奪三振の成績を残す。

山本は渡米後最速の直球を投げ、ヤンキース打線を圧倒し、延長11回までタイマッチを演じたがチームは勝利を収める。

ワールドシリーズでの歴史的なライバル対決に注目が集まり、全米中継される中で山本はヤンキースタジアムでの投球で存在感を示す。

「試合中の雰囲気も素晴らしかった」山本由伸7回0封でヤンキース斬り ド軍8年ぶりヤンキースタジアムで快投

◆米大リーグ ヤンキース1―2ドジャース=延長11回=(7日・米ニューヨーク州ニューヨーク=ヤンキースタジアム)

 ドジャース・山本由伸投手(25)が7日(日本時間8日)、敵地・ヤンキース戦に先発。東西の両雄激突に全米中継が組まれ、ヤンキースタジアム今季最多4万8048人が来場した試合で、メジャー移籍後最速となる98・4マイル(約158・4キロ)の直球を中心に7回2安打無失点7奪三振の快投を披露した。7勝目はお預けとなったが、初のヤンキースタジアムで宝石のような輝きを放ち、チームの勝利を呼び込んだ。

 ニューヨークの夜空の下でほえた。0―0の6回2死一塁。山本は4番・スタントンをこん身の直球で空振り三振に斬った。7回2安打無失点7K。援護なく7勝目はお預けとなったが、渡米後最多106球の熱投でヤンキースタジアム初登板を飾り「いいフォームで投げられました。試合中の雰囲気も素晴らしかった。すごく良かったです」と爽やかにほほ笑みながら声を弾ませた。

 初回から気合が入っていた。1番・ボルピ、2番・バードゥーゴに156キロ、158キロを連発。観客の声援にも後押しされ、4回はスタントンに渡米後最速となる98・4マイル(約158・4キロ)を投げ込み、ツーシームではバットを粉砕する力強い投球を披露した。直球の平均球速は153・4キロから約2・7キロも速い156・1キロをマーク。大舞台に自然と力が加わった。

 左前腕の張りのソトが不在だったとはいえ、8連勝中で全30球団最多の45勝を挙げていたヤンキース打線を相手に、2回2死から6回2死にかけては12者連続アウトを奪取した。開幕時の総年俸が3億332万ドル(約475億円)のスター軍団を圧倒し、「全身で全力を出して投げていけました」と山本は胸を張った。

 ド軍が当地を訪れたのは16年以来8年ぶり。東西の両雄激突にカード3連戦は全て全米中継が組まれるなど、試合前から注目度は段違いだった。ヤンキースタジアムでは今季最多の4万8048人が来場。大谷やジャッジらMVP経験のある選手が5人も出場し、強力打線対決に話題は集中したが、ふたを開けてみれば白熱の投手戦となり、主役の座を奪ったのは誰でもなく背番号18だった。

 チームはスコアレスで延長11回までもつれた接戦を制し、今季40勝に到達した。ロバーツ監督は7回を投げ終えた山本を強く抱きしめた。「ドジャースの一員としての由伸のベスト登板だったと思う。日本にいた時にはゴジラ(松井秀喜氏)がこの球場で打っているのを彼も見ていたと思うが、そのヤンキースタジアムで、しかもヤンキース対ドジャース戦で彼は投げた。それは影響しただろう」と全米注目の一戦で、渡米後最高の投球を披露し、抜群の存在感を放った右腕を称賛した。「こういう投球ができた時のいいところをキープして投げていきたいと思います」と山本。聖地で自らの価値を証明してみせた。

 ◆ドジャースとヤンキース ワールドシリーズで史上最多の11度対戦しており、ライバル球団とされる大きな理由となっている。初対戦は41年で、81年が最後の対戦。対戦成績はドジャースの3勝8敗。リーグも地区も違うため、対戦機会が少なく希少性も高い上、大谷と山本の超大型補強を敢行した初年度とあって注目度はさらに高まり、3戦とも全米中継される異例の扱いで、この日行われたメジャー14試合の中でも最多の観客動員数だった。