【ONE】MMAデビューのケイド・ルオトロ「MMAになったらどう動くかを常に考えていた」=6月8日(土)午前スタート

AI要約

ケイド・ルオトロがMMAデビューし、ONEライト級でブレイク・クーパーと対戦する。グラップリング界を席巻してきたケイドがなぜMMAに挑戦するのか、そして目指しているものについて語る。

ケイドは純粋なMMAへの愛からMMAに挑戦することを決め、打撃と組み技の繋ぎを重点的に学んできた。MMAへの愛情や打撃に対する自信、そして兄との開発した「ルオトロチン」が試合での武器となる可能性についても言及している。

期待される試合展開については、1ラウンドで終わる可能性が高いと語り、ONEのルールセットに関してもプラスに考える。自分の戦い方がこのルールにフィットしており、フィニッシュを狙うと語っている。

【ONE】MMAデビューのケイド・ルオトロ「MMAになったらどう動くかを常に考えていた」=6月8日(土)午前スタート

 2024年6月8日(日本時間朝9時)、タイ・バンコクのインパクト・アリーナにて開催される『ONE167』(U-NEXT配信)で、ケイド・ルオトロがMMAデビューし、ONEライト級でブレイク・クーパーと対戦する。

 兄タイ・ルオトロとともにグラップリング界を席巻してきたケイドは、なぜMMAに挑戦するのか。そして目指しているものは? 8月のADCC世界大会とクレイグ・ジョーンズ・インビテーショナルについても聞いた。

◆なぜMMAを? 本当に純粋なMMAへの愛からだ

──いつタイに到着されましたか?

「月曜にはバンコク入りしたんだ。今回はいつもより少し早く入って準備を進めたよ」

──MMAデビュー戦に向け、米国カリフォルニアのClassic Fight Teamでは、タイラー・ウォンブルスがミットを受けているのを拝見しました。誰とトレーニングしてきましたか。

「Classic Figjt Teamはすごいヤツがいっぱいいるから、名前言いそびれると怒られそうだな(笑)。ヘッドコーチのウォンブルスを始め、知っての通り、エリック・パーソンからもMMAの指導を受け手きたよ。プロだけでなくアマチュアも含め、とにかくツワモノ達がたくさんいる」

──レイモンド・ダニエルやストライカーが多いジムを選んだ理由は?

「タイラーは、ダニエルズやトニー・ファーガソン、アレックス・ペレスらも指導してきた本当にレジェンドで、素晴らしい人だ。すぐにここだって分かったんだ。彼の技術は素晴らしくて。本当に細かいところまで見てくれている。彼から学ぶ事で僕のストライキング技術は飛躍的に進歩したと思うよ」

──いまのケイド選手にとって優先的に必要な技術である打撃をタイラーコーチから、そして組み技との繋ぎをエリックコーチから指導を受けていると。

「まさにその通りさ。タイラーとエリック、それぞれのジムでMMAを学んできた」

──ONEサブミッショングラップリングの王者として成功を収めているケイド・ルオトロ選手は、そもそもなぜMMAをやろうと思ったのでしょうか。

「正直に本当に純粋なMMAへの愛からだと思う。本当に自分が小さな頃からMMAが好きでいつかやりたいって思っていたんだ。いつもずっとただの普通のアスリートとして生きていくのが嫌で、いつか真の格闘家として認知されるようになりたいと思っていたし、そうなろうと思っていた。12歳の時から柔術道場でムエタイもやっていたし、そのときからMMAになったらどう動くかを考えていた。常に柔道やレスリング、柔術もやってきたんだ。そしてMMAとストライキングだ。本当に純粋にMMAが好きなんだよ」

──ピュアグラップリングを行うときに、打撃があるとどうなる? と考えることもあったでしょうか。

「もちろんだ。これまでも何度かグラップリングの試合の中で自分が上になってパスガードをしている中で、下のやつが同じようなディフェンスをしていると『あぁ、パウンドできれば!』って思った事がある。逆に下になったときに『ここでパウンドがあったら危ないな』とも。だから今回のMMAは本当に楽しみにしているんだ。ワクワクしていると言っていい」

──構えから変わることになりますね。いかに組むか。

「ひとたびグラウンドに行けば、この地球上ではなかなか自分と対等に戦えるやつはそう多くないと思っている。だけど試合は立って始まるだろう? だから重要なのは打撃から柔術になる時点のメンタリティだと思っていて。その時にヒザ蹴りやアッパーカットをもらわないようにしなければいけない」

──オープンフィンガーグローブはグラップリングにどれだけ影響するでしょうか。

「実は、それはMMAの試合をやる時に一番最初に頭に浮かんだことさ。だけど、オープンフィンガーグローブを着けて練習を重ねたらチョークもそう難しくないなって。グローブをつけていてもグラウンドにはあまり影響がない。相手がグローブを掴んだりとかそういう卑怯な事をしてこない限りはね。だから、大丈夫だと思っているよ」

◆“ルオトロチン”はグローブを着けても極められる

──グラップリングの前戦では、兄弟そろって“ルオトロチン”を極めましたね。あの技はMMAでも極まりそうですね。通常のリアネイキドチョークのシートベルトからのフェイントにもなると。

「そうだね。ハンドファイトで、シートベルトで脇の下から伸ばした手を、肩口からの手の上に重ねて相手が剥がそうとしたら、肩口からの手で首にリアネイキドチョーク。ルオトロチンの場合は、肩口からの手を上に組んで、その上の手を剥がされたら、脇の下からの腕を一気に対角上に差し込んでバイセップで組んで頭後ろでリアネイキドチョークの形で組んで絞める。

 実はあの技、最初に兄貴がやって僕に見せてくれたんだ。特に名前は無くって。自分たちが開発した技ではないから、開発したっていう評価はいらないんだけど、説明がとても難しいんだよね。ダースチョークにとても似ているんだけど、同時にアームトライアングルにも似ている。3つくらいのチョークが融合してできた感じで、MMAでも絶対使えるよ。

 トレーニングキャンプでもグローブをつけて何度も試している。ルオトロチンでサブミッションできるんじゃないかな。ちなみに言っておくけど、僕は“ルオトロチン”って名前本当は嫌なんだよ(苦笑)、自分で言うのは気が引けるんだけど皆がそう呼んでいるから仕方なくそれに乗っているだけ。“バック肩固め”と言ったりしてるよ」

──さて、今回の試合はケージ。グラップリングでもケージの試合を経験してきたことは、ケイドにとって、良かったとも言えるでしょうか。

「その通りだよ。青木真也ともケージで戦った。あの頃を思い出してね。壁を有効に使って、相手も壁を使ってくる。ケージになると簡単にクラッチを組めず、頭の位置によっては動き辛くなるし、立ちやすくなるともいえる。とにかくまたケージで試合できるのは嬉しいよ」

──Classic Figjt Teamで練習してきた打撃の自信は?

「とてもあるよ。特にこの数カ月間、コーチたちと共に磨いて上達してきた。自分でもこんなに早く上達するのかと驚いたくらいだ。だからなのか、この試合に向けて一切緊張をしていないんだ。柔術の試合に比べて凄く緊張するのかと思ってたんだけど、すごく不思議だけど全然緊張をしていない。きっとそれだけ準備をしてきたからだと思うよ」

──グラウンドで四点ヒザも認められるONEのルールセットは、ユニファイドとも異なりますが、グラップリングを発揮するのに役立つことの方が多いか、警戒することの方が多いでしょうか。

「どちらもだ。僕の戦いはとてもこのルールにフィットすると思う。他の団体でも禁止されているものってだいたいグラウンドの攻防に関係しているだろ? 頭部へのヒザ蹴りやエルボー……つまりポジショニングの意味が活きて来る。対戦相手はグラウンドにいたら僕のサブミッションにビビるだろうし、僕が上にいる間は他の団体では禁止されている事もできたりする。だからONE Championshipのルールは大好きだよ」

──ずばり、どのような試合になる?

「ぶっちゃけ、1Rより長くなる事はないんじゃないかと思っている。もしなったら自分でビックリするよ。判定になったらさらに驚くね。だからフィニッシュになると思っている、それが自分の打撃でなのか、柔術でなのかは分からないけど。いずれにしろ、1Rで終わらせるよ」