39戦乗り替わりなし!江田照男とアメリカンボス〝人馬一体〟の連覇/2000年・エプソムカップ

AI要約

06年のクラシック戦線を盛り上げたメイショウサムソン=石橋守のコンビやアメリカンボスの6年に及ぶ競走馬生活など、懐かしいベストレースを振り返る。

アメリカンボスはエプソムCを連覇し、江田照との強い結びつきで特異な競走馬として活躍した。

エプソムCにおけるアメリカンボスの独壇場の勝利や根性をミックスさせた末脚の特徴について述べられている。

39戦乗り替わりなし!江田照男とアメリカンボス〝人馬一体〟の連覇/2000年・エプソムカップ

【記者が振り返る懐かしのベストレース】近年では乗り替わりは日常茶飯事。師弟関係が崩れ、人馬のドラマが創作しにくい昨今にあって、06年のクラシック戦線を盛り上げたメイショウサムソン=石橋守のコンビなどは逆に新鮮味が感じられた。

 同様に1999、2000年とエプソムCを連覇したアメリカンボスの6年に及ぶ競走馬生活(中央39戦)も特異なものだったのではなかろうか。追い切りでも実戦でも、ボスの鞍上には常に江田照がいた。強靭な体力を持つ彼らは大きなケガをすることなく、最後の最後まで戦い抜いた。少々のヘグリにも目をつぶってきた田子調教師の寛大さがあってこその話なのだが。

 有馬記念2着(01年)という華々しい実績を持つボスは、エプソムCを連覇したようにこのレースとの相性は格別だった。11番人気の99年は混戦を制した格好だったが、00年は1番人気に支持され、不良馬場をモノともせず、直線鮮やかに抜け出した。GⅠ戦線で活躍していたトゥザヴィクトリー(3番人気)や重賞の常連スエヒロコマンダー(2番人気)は道悪がたたって力を発揮できず、全天候型のボスの独壇場となったのは当然のことだった。

 時計的な限界があったためGⅠタイトルには手が届かなかったが、根性をミックスさせた粘着性の末脚はボス独特のものだった。何はともあれ、ボス=江田照のような“人馬一体”のドラマを再び多く見たいものだ。(2007年6月6日付東京スポーツ掲載)