阿部巨人、交流戦12球団唯一失策なし 新助っ人ヘルナンデス中堅の新布陣「固定していきたい」

AI要約

巨人はロッテに4-3で敗れたが、9回に追い上げを見せるなど好調な戦いを展開。阿部監督率いるチームは前を向き、自信を持って次に臨む姿勢を見せた。

試合前の好調さから一夜明け、ロッテの投手に苦戦。特にタイムリーが出ずに逆転には届かなかったが、守備面では収穫があった。

外野陣の布陣をシャッフルし、新たな配置を試す中、右翼手の固定に成功。無失策の守備力を活かし、打線との連携も強化される見込み。

阿部巨人、交流戦12球団唯一失策なし 新助っ人ヘルナンデス中堅の新布陣「固定していきたい」

◆日本生命セ・パ交流戦 巨人3―4ロッテ(5日・東京ドーム)

 敗戦の中、9回にハイライトをつくった阿部巨人。好調な戦いを支えているのは、活発な打線と、交流戦で12球団唯一失策なしの鉄壁守備陣だ。この試合では、左翼・立岡、中堅・ヘルナンデス、右翼・丸の新布陣を披露した。先を見据えたフォーメーションの意図を、巨人担当キャップの片岡優帆記者が「見た」。

 惜しかった。負けたとはいえ、巨人ナインに落ち込む様子は全く見られなかった。4点を追う9回に代打大城卓の適時二塁打などで3点を返して1点差。逆転サヨナラの好機もつくった。「明日につながると思います」と手応えを示した阿部監督を筆頭に、全員が前を向いて球場を引き揚げた。

 4日はセ・リーグタイ記録の9者連続安打など23安打18得点で大勝。一夜明けて大味にならないよう、試合前のフリー打撃から各選手が低いライナーを連発して準備したが、ロッテの種市に8回無失点の快投を許した。阿部監督は「種市投手にすごいいい投球をされた」と脱帽。6、8回の好機で岡本和が三振に倒れるなど、面白いようにタイムリーが出た前夜から一転、野球の難しさを痛感した。

 そんな中、守備面で大きな収穫があった。4日は左翼・丸、中堅・立岡、右翼・ヘルナンデスだった外野陣が左翼・立岡、中堅・ヘルナンデス、右翼・丸に守備位置をシャッフル。阿部監督は「ヘルナンデスをセンター、丸をライトで固定していきたい」と明言した。中堅は日本人が理想との考え方も持つが、新助っ人の高い守備能力と適性を見て柔軟に新布陣に移行した。

 外野手の出場メンバーによって左翼、右翼を日替わりで守ってきた丸が右翼に固定されてどっしり戦うことができ、右中間の連係も強固になる。左翼は左膝手術の経験がある立岡の体調も考慮しながら、秋広や長野らを臨機応変に起用していける。交流戦で巨人が12球団唯一の無失策。打線は水ものと言われるが、内、外野の鉄壁の守備で今後も安定した戦いが期待できる。

 これで対ロッテは1勝1敗となり「いい粘りも見せたしバシッと切り替えて(3連戦)勝ち越せるように頑張ります」。敗戦の中で見えた阿部巨人の外野の新布陣。攻守で確かな収穫があった。(片岡 優帆)