早大・山縣秀が遊撃手でベストナイン 小宮山監督「平成の牛若丸」小坂誠氏を引き合いに高評価

AI要約

東京6大学野球春季リーグは早大の完全優勝で幕を閉じた。山縣秀内野手がベストナインに選出され、宗山塁内野手が欠場したシーズンで注目を集めた。

小宮山監督は山縣の守備力を高く評価し、小坂誠氏と比較される程のプレーを見せた。山縣は特に足の使い方にこだわり、合理的かつ素早いプレーを心掛けている。

早慶戦で優勝し、ベストナインに選ばれた山縣はドラフト指名への夢を追いつつ、社会人野球でのプレーも考えている。

 東京6大学野球春季リーグは2日、早大の完全優勝で幕を閉じた。

 全日程終了に伴い、東京運動記者クラブ加盟社によるベストナイン投票が行われ、遊撃手では早大・山縣(やまがた)秀内野手(4年=早大学院)が選出された。

 今秋ドラフト1位候補の明大・宗山塁内野手(4年=広陵)が注目されるシーズンだったが、宗山は上半身のコンディション不良のため、リーグ戦中盤以降は欠場が続いた。そんな中、山縣の動きは目を引いた。ゴロ処理はもちろん、走者が近づいてくる二塁ベースカバーで、直前までグラブを出さない頭脳プレーなど随所に魅力があった。

 早大・小宮山悟監督(58)は「小坂と重なるところがある」と、ロッテ時代のチームメートで「平成の牛若丸」とも称された小坂誠氏(50=現ロッテ守備コーディネーター)を引き合いに出し、その守備力の高さを評価している。

 法大戦では三遊間のゴロを捕球し、身をひねりながら二塁送球し一塁走者をアウトにした。「やってる時は普通のプレーなんです。でも動画を見たら、ちょっとすごいプレーしたんだなと(笑い)」。地面と体を水平にしながら二塁送球し、しかも投げる瞬間は体が宙に浮いていた。

 稲城シニアから早大学院(東京)に入学するまでの秋、冬に徹底的に守備を仕込んだという。

 もし当時の自分と同じような中学生に守備を教えるならば-。そんな質問をしてみた。

 「足の使い方を教えるかなと。ファーストに投げる時、サードやセカンドはそんなに意識しなくても捕ってファーストに投げるでいいんですけど、ショートに関してはうまく送球へつなげられる捕球を、足を使ってしないとアウトにならないと思うので。その足の運び方と使い方を重点的に意識するかなって思います」

 ネット裏のプロ野球関係者からは「山縣は横投げで一塁送球するのが気になる」という声も聞く。山縣本人は「少しでも合理的に、素早く一塁へ送球するためです」と意識的に取り組んでいるようだ。

 「胸のドキドキやワクワク感が止まらなくて」と心待ちにしていた早慶戦を制し、優勝とベストナイン、2つの勲章を得た。社会人野球でのプレーも現実的に考えつつ、最後までドラフト指名への夢を追う。【金子真仁】