徹底された“まずは守備から”の意識…要所で得点を重ねた松本国際、上田西下して準決勝突破!!

AI要約

松本国際高が上田西高を3-0で破り、インターハイ長野県予選で勝利。準決勝ではFW吉村大樹の活躍が際立ち、決勝進出を果たした。

試合展開は松本国際にとって手ごわいものだったが、得点を重ねて4大会ぶりのインターハイ出場に王手をかけた。

決勝では都市大塩尻高と対戦し、選手たちはリベンジに燃える想いを抱いている。

徹底された“まずは守備から”の意識…要所で得点を重ねた松本国際、上田西下して準決勝突破!!

[6.1 インターハイ長野県予選準決勝 上田西高 0-3松本国際高 大曲市運動公園サッカー場]

 1日、令和6年度全国高校総体(インターハイ)長野県予選準決勝が行なわれ、上田西高と松本国際高が対戦。FW吉村大樹(2年)の先制点を皮切りに得点を重ねた松本国際が3-0で勝利した。2日の決勝では都市大塩尻高と対戦する。

「3点ぐらいやられてもおかしくなかった。ツイている。今日は持っているかもしれないと思っていた」。勝沢勝監督が語ったように、松本国際にとって思い通りの試合内容ではなかった。勝敗が逆になってもおかしくない試合展開だったが、要所で得点を重ねて4大会ぶり5回目のインターハイ出場に王手をかけた。

 県の高体連チームとしては唯一のプリンスリーグに所属するチームで昨年度の選手権を経験している選手もいるとはいえ、準々決勝までとは比べ物にならないほど注目度が高まるため、選手に緊張感はあった。

「前半は相手の勢いが凄くて得点シーン以外でリズムが作れなかった。セカンドボールを回収した後の一本目がなかなか繋がらなくて、蹴り合いになってしまった」。そう振り返るのは主将を務めるMF関泰洋(3年)で、序盤は前線のFW高橋亮雅(3年)に長いボールを入れてくる上田西に歩調を合わせてしまったため、狙い通りにボールを動かせない。

 それでも前半15分にはDF宇留賀大希(3年)のロングフィードから、吉村が上手く相手DFの背後へと抜け出すとゴール左隅に決めて均衡を崩した。だが、以降はMF鈴木悠杏(3年)の配球を合図にパワフルな攻撃を繰り出した上田西に手を焼いた。

 23分には左サイドから高橋がゴール前にロングスロー。こぼれ球を自らが拾って、ゴールを狙ったがシュートは右外。30分には高い位置で奪った鈴木がそのままシュートまで持ち込んだが、GK小林健道(3年)に阻まれ、同点に追いつけない。

 後半に入ってからも上田西の勢いは衰えず、松本国際は我慢の時間帯が続いたが、慌てる様子は見られない。「プリンスリーグを通して、なかなか点が取れない試合が続いている。ギリギリのゲームを勝ってきた経験が生かされている」と口にするのは関で、DF渡邊智紀(3年)とDF飯田幸平(2年)のCBコンビを中心に無失点のまま試合を進めていくと、後半17分には左CKから渡邊がヘディングシュートを決めて、リードを2点差に広げた。

 試合終盤の松本国際は読みの良いDF中村星斗(3年)をアンカーに入れて、「いざとなったら、3枚で守っても良い」(勝沢監督)と守備を強化。並行して、MF荒井七瑠(3年)やFW池田瑠生(2年)といった攻撃の切り札も入れる。狙いがハマり、無失点に抑えつつも39分には荒井の右クロスから関がヘディングシュートを決め、3-0でタイムアップを迎えた。

 5月中旬に行なわれた中信地区大会は準決勝で松本県ケ丘に0-1で敗れ、県大会は地区3位としての出場。「あの負けが良い薬になった。危機感から、同じことをやっていたら変わらないぞとなって、県大会に入っていけた」と振り返るのは勝沢監督で、気を引き締めた選手たちはチームコンセプトである“まずは守備から”という意識を徹底し、今大会は粘り強く決勝までたどり着いた。指揮官は交代で入った選手の活躍も大きいと話す。

 決勝で対戦するのは、昨年12月に行なわれた新人戦決勝で敗れた都市大塩尻高となたったため、選手たちのリベンジにかける想いは強い。主将の関は「新人戦も決勝で負けているで、全員がリベンジに燃えている。松本国際は選手権を取った次の年は一度もインターハイに行けていない。福島県で開催される記念すべき1回目の大会なので、自分たちが優勝したい」と意気込みを口にした。