めざすは移動できる「洋上宇宙港」 40年代の実現に向け検討開始

AI要約

次世代型宇宙港(スペースポート)の実現を目指す企業や大学がWGを立ち上げる。

宇宙港の必要性、WGの構成、宇宙港の機能などを明らかにする。

ISCが宇宙旅行サービスの事業化を目指し、2020年代に報告書をまとめる予定。

めざすは移動できる「洋上宇宙港」 40年代の実現に向け検討開始

 次世代型宇宙港(スペースポート)の実現をめざす企業や大学が2日、ワーキング・グループ(WG)を立ち上げる。洋上に浮かべる移動可能な発射場について実現可能性を検討し、2040年代の事業化をめざす。

 国内で運用されている宇宙港は4カ所あるが、将来的に衛星の打ち上げや宇宙旅行の需要が高まることで、より多くの宇宙港が必要になるとみられている。

 WGを主導するのは、再使用可能なロケットを開発するスタートアップ企業「将来宇宙輸送システム(ISC)」。大手ゼネコンの鹿島や日本郵船、商船三井など計18社と室蘭工業大が参加する。

 WGで検討するのは、管制室を備える地上の拠点と、発射場となる船の部分に分けた宇宙港だ。発射台を移動できるようにすることで、台風シーズンは北上、雪が降る時期は南下させるなど、天候による打ち上げ延期のリスクを抑えられるという。

 まずは宇宙港の規模や技術・コスト面での実現可能性などを検討する。来年11月をめどに報告書を取りまとめる予定だ。

 ISCは40年代に宇宙旅行サービスの事業化を計画。嶋田敬一郎・最高事業責任者は「次世代型宇宙港のあるべき姿や技術的・制度的課題を抽出し、実現に向けた第一歩にしたい」とコメントしている。(佐々木凌)