核融合、量子コンピュータ、空飛ぶ自動車は本当に実現するのか…いま経営者に求められている「経済合理性」と「シビアな判断」

AI要約

錬金術の起源は古代エジプトや古代ギリシアに遡り、ニュートンなど歴史上の科学者も興味を示していた。

近代科学は錬金術から生まれた側面があり、「錬金術」と「科学」の境界が曖昧だった過去がある。

現代では、錬金術の一部が理論的に実現可能であり、人工的に金を作る実験も行われてきた。

核融合、量子コンピュータ、空飛ぶ自動車は本当に実現するのか…いま経営者に求められている「経済合理性」と「シビアな判断」

錬金術の起源は古代エジプトや古代ギリシアに遡ることができる。また、あのアイザック・ニュートンも、ナショナル・ジオグラフィック 2016年4月7日「ニュートンは錬金術で『賢者の石』を作れたか?」で述べられているように、「錬金術」にはまった一人である。

現在、「錬金術」は極めて否定的に扱われている。しかし、ある意味近代科学は錬金術から生まれたともいえる。したがって、ニュートンの時代には、「錬金術」と「科学」の境界は現在ほど明確では無かったといえよう(ただし、それでも前記記事でも述べられているように、錬金術は概ね怪しげなものだとされていた)。

しかし、その「怪しい錬金術」も、現代では(少なくとも理論的には)可能になっている。

例えば、113番元素であるニホニウムは、原子番号30の「亜鉛」と、83の「ビスマス」の2種類の原子核をひとつに融合させることによって作られている(113=30+83)。詳しくは、「新元素『ニホニウム』を発見した 理化学研究所──科学者が語る「研究を成功させるチームの条件」とは?」を参照いただきたい。

また、原子番号93番以降の元素は超重元素と呼ばれる。これらを人工的に作るには、原子核を加速してビームとし、別の決まった原子核を標的として衝突させる。そして、2つの原子核が一つになる過程(融合反応)を利用するのだ。

つまり、原子番号79の金も原理的には原子番号の少ない卑金属などの融合反応によってつくることが可能といえる。

実際、1924年、物理学者の長岡半太郎が、ドイツのミーテ教授らと共に、「水銀(原子番号80)を高電流にさらすことによって水素原子一個(陽子1個)を追い出して金に変換することに成功した(80-1=79)」と発表している(ただし、その後の再現実験はすべて失敗。誤りであったと考えられている)。

また、1941年アメリカ物理学会で報告された水銀に高速中性子を照射するという実験では、水銀を金とプラチナに核変換することに成功、あるいは1936年には、プラチナに重水素を衝突させて、放射性プラチナ同位体を金に変えたと伝えられる。