爆発による衝撃が機内にまで響く…目のあたりにした「火山島の誕生」という驚愕の出来事

AI要約

新たな火山島の出現について、地球を知る研究材料の重要性と興味深さが語られています。

著者が西之島を含む多くの島の調査結果に基づいて、火山島の成長過程や地質現象について詳細に解説した書籍が紹介されています。

西之島での新火山島の誕生や研究アプローチについて、著者の現地体験や知見が紹介されています。

爆発による衝撃が機内にまで響く…目のあたりにした「火山島の誕生」という驚愕の出来事

新たな火山島の出現は、島を知り地球を知る研究材料の宝庫。できたての島でなくては見ることのできない事象や、そこから伝わってくる地球のダイナミズムがあります。そして、地球に生まれた島は、どのような生涯をたどるのか、新たな疑問や期待も感じさせられます。

今まさに活動中の西之島をはじめ、多くの島の上陸調査も行ってきた著者が、国内外の特徴的な島について噴火や成長の過程での地質現象を詳しく解説した書籍『島はどうしてできるのか』が、大きな注目を集めています。

本記事では、実際に現場を見てきた著者ならではの、体験や研究結果をご紹介していきます。今回は、空、そして海から見た、西之島での「新火山島の誕生」と、さまざまな研究アプローチについて解説します。

※この記事は、『島はどうしてできるのか』の内容を再構成・再編集してお届けします。

本土から西之島へはひとっ飛びで行けるわけではない。途中、八丈島で給油を行い、そこから1時間以上かかりようやく西之島上空に到着する。あるいは西之島をいったん通り過ぎ、硫黄島で給油を行ってから向かう場合もある。いずれにしても現地で観察できるのはせいぜい30~40分程度だ。

現地に着いたら、ただ漫然と噴火の様子を眺めているだけでは専門家として同行している意味がない。火口の位置と数、噴火の様式、爆発の頻度、噴煙の高さ、噴気活動の状況、変色水の状況、島の形状などを把握し、何が起きているのかを短い時間で整理し記録しておかなければならない。これは報道機関や行政機関に迅速にかつ適切な情報を提供するという目的だけでなく、一つの噴火記録として後世に残しておく意義があるためだ。

活発な時は数十秒から数分おきに爆発が起こり、赤いマグマの飛沫が火口から飛び散り、時には爆発の振動が機内にも響いてくる。海岸では溶岩が海に突入し、水蒸気の白煙が激しく上がりどんどん陸地を拡大していく様子は、まさに活きた火山が成長している姿だ。

西之島を訪れるたびに、いつまでもこの壮大な現象を観察していたい衝動に駆られながら島を後にしなければならないのだ。