ハイイログマ狩猟一部解禁、環境団体は懸念 カナダ

AI要約

カナダ西部アルバータ州でハイイログマ(グリズリー)の狩猟が一部解禁となることが決まり、環境保護団体が懸念を示している。

18年にわたる狩猟禁止期間でハイイログマの個体数が増加し、絶滅危惧種に指定された歴史がある。

ハイイログマの個体数増加により人口の多い地域への侵入や襲撃件数の増加が懸念され、狩猟解禁が州政府によって決定された。

【AFP=時事】カナダ西部アルバータ(Alberta)州でハイイログマ(グリズリー)の狩猟が一部解禁となることが決まり、環境保護団体が10日、種に与える影響について懸念を示した。

 アルバータ州ではハイイログマの狩猟が過去18年にわたって禁止されており、個体数の増加が確認されている。2010年には同州の絶滅危惧種にも指定された。

 州当局によると、ハイイログマの個体数は800頭から1150頭以上に増えた。だがその結果、クマがより人口の多い農村部に入り込むようになった。2000~2021年にアメリカクロクマおよびハイイログマによる襲撃は104件記録されている。

 こうした状況を背景に、州政府は先月、当局が「問題」と判断した特定の熊については狩猟を許可するとした。

 州政府の判断に対して、アルバータ・ウィルダネス協会(Alberta Wilderness Association)は「狩猟は絶滅危惧種に対する許容可能な管理手法ではない」とし、ハイイログマの繁殖率が低いことから、過去10年間の個体数の回復を台無しにする可能性があると指摘した。

 同協会は州南部での試みを引用し、農地にクマを引き寄せてしまう食べ物などの管理を徹底したり、電気柵を設置したりすることで、クマと人との接触を防ぐことができると話した。【翻訳編集】 AFPBB News