暑さが止まらない…世界平均気温が12カ月連続で過去最高更新

AI要約

過去12万5000年で最も暑い12カ月を更新中。麻痺しちゃいそう。

EUの気象機関Copernicusによると、5月の世界平均気温が同月として過去最高を記録しました。また、昨年6月から12カ月連続で観測史上最高記録を更新しています。

2024年5月の世界平均気温偏差は、平年(1991年から2020年)よりも0.65度、産業革命前(1850年から1900年)と比較して1.52度高い過去最高を記録しました。

暑さが止まらない…世界平均気温が12カ月連続で過去最高更新

過去12万5000年で最も暑い12カ月を更新中。麻痺しちゃいそう。

EUの気象機関Copernicusによると、5月の世界平均気温が同月として過去最高を記録しました。また、昨年6月から12カ月連続で観測史上最高記録を更新しています。

2024年5月の世界平均気温偏差は、平年(1991年から2020年)よりも0.65度、産業革命前(1850年から1900年)と比較して1.52度高い過去最高を記録しました。

昨年夏に発生して平均気温を押し上げていたエルニーニョ現象が終息し、夏から秋以降には逆に気温を押し下げるラニーニャ現象が発生すると予想されています。そのため世界平均気温偏差は、1.5度未満に下がっていくと見られています。下がらないと説明がつかなくなるので、下がってもらわないと困ります。

また、昨年6月から今年5月までの12カ月間も圧倒的な過去最高ぶりでした。1991年から2020年までの30年間の平均と比較して0.75度、産業革命前(1850年から1900年)よりも1.63度も高くなり、観測史上最高をとんでもなく更新してしまいました。過去12万5000年で最も暑い12カ月間でもあります。

そしてパリ協定の努力目標である産業革命前比の気温上昇1.5度未満のラインを、昨年7月から11カ月連続で超えてきました。昨年の年間世界平均気温は、産業革命前比で+1.48度と、辛うじて1.5度の壁を超えずに済みました。でも、今年1月からは直近12カ月間の平均気温が+1.5度を超え続けています。

ちなみに、月間世界平均気温が過去最高を更新し続けた最長記録は、史上最強レベルのエルニーニョにステロイドを注入された2015年5月から2016年7月にかけての15カ月間連続でした。今回のエルニーニョ現象が「強い寄りの普通」レベルだったのもあって、さすがに15カ月連続は破らないと思われます。

でも、「史上最強エルニーニョ+温暖化」が作った月間と年間の過去最高気温を、「強い寄りの普通エルニーニョ+温暖化」が軽くぶっちぎったのは、ちょっとしたサプライズでした。

しかも、通常はエルニーニョ現象が発生した年ではなく、終息する年に過去最高を更新するんですね。なので、今回のようにエルニーニョ現象が発生した昨年の年間世界平均気温が過去最高になったのは意外でした。

船舶からの大気汚染の減少や、2022年のフンガトンガ火山噴火による水蒸気などの影響もあって、予想外に気温が上昇したとみられていますが、それでも説明し切れていないんですよね…。

エルニーニョ現象の終息とラニーニャ現象への移行によって、世界平均気温は+1.5度未満の領域へと戻ります。ですが、それも長く続きそうにありません。世界気象機関(WMO)によると、今年から2028年までに、80%の確率で年間の世界平均気温が+1.5度を少なくとも一度は超えるそうです。