ハッブル宇宙望遠鏡、ジャイロスコープの数減らし観測継続

AI要約

1990年に打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡において、1個のジャイロスコープが動作不良を起こし、1個を使用する運用に移行する決定が下された。

観測予定は縮小されるが、将来の使用を考慮しもう1個のジャイロスコープは予備として残される。移行は今月中旬までに予定されている。

2035年までの運用確率は70%以上とされており、寿命が尽きた際には安全な処分方法を検討している。

ハッブル宇宙望遠鏡、ジャイロスコープの数減らし観測継続

【AFP=時事】米航空宇宙局(NASA)は4日、1990年に打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)について、3個のジャイロスコープのうち1個が動作不良を起こしているため、1個を使用する運用に移行する方針を発表した。これにより観測予定は縮小されることになる。

 ハッブル宇宙望遠鏡の向きを制御する3個のジャイロスコープのうちの1個が、ここ数か月、動作不良を起こし、断続的に「セーフモード」になっている。

 NASAの天文部長、マーク・クランピン(Mark Clampin)氏は、「一連のテストを行い、選択肢を慎重に検討した結果、3個のジャイロスコープのうち1個だけを使用した運用に移行する」と説明。

 もう1個のジャイロスコープは、将来使用する可能性があるため、予備として電源は入れたままにしておくという。

 移行は今月中旬までに行われる予定。

 ハッブル宇宙望遠鏡のプロジェクトマネジャー、パトリック・クラウス(Patrick Crouse)氏は、今後1年間、満天の夜空の観測は続けられる、火星より近い天体は追跡できなくなるが、そういう物はいずれにせよ、まれだと述べた。

 NASAは、この設定で2035年までハッブル宇宙望遠鏡を運用できる確率は70%以上とみている。寿命が尽きたら、軌道上から安全に離脱させるか、その他の方法での処分を検討している。【翻訳編集】 AFPBB News