中国「無人探査機が月の裏側に着陸成功」と発表、岩石や土壌採取し地球帰還へ…成功なら世界初

AI要約

中国の無人探査機「嫦娥6号」が月の裏側への着陸に成功し、岩石や土壌の採取を計画している。

探査機は月の約15キロ・メートル上空から約15分かけて地表に降下し、月南極近くの「エイトケン盆地」に着陸した。

このミッションは将来の月面基地の建設を見据えたもので、月の南極に水が氷の状態で存在する可能性が示唆されている。

 【瀋陽=出水翔太朗】中国国家宇宙局は2日、無人探査機「嫦娥(じょうが)6号」が2日午前6時23分(日本時間同7時23分)、月の裏側への着陸に成功したと発表した。2日間で岩石や土壌を採取し、今月下旬に地球へ持ち帰る計画だ。成功すれば世界初となる。

 発表によると、探査機は月の約15キロ・メートル上空から約15分かけて地表に降下し、月南極近くの「エイトケン盆地」に着陸した。着陸時に撮影したとして国家宇宙局が2日に公開した動画では、探査機が少しずつ地表に近づく様子のほか、様々な大きさのクレーターがあることが確認できる。

 中国が月の裏側に探査機を着陸させたのは、2019年の「嫦娥4号」以来、2回目だ。20年には「嫦娥5号」が月の表側から試料を持ち帰った。今回は地球からの電波が届かない月の裏側で、中継衛星を介した作業となり、岩石などを採取する時間も前回より短くなるなど難易度は上がっているものの、順調に進んでいる模様だ。

 月の南極には、水が氷の状態で存在する可能性が指摘されており、今回のミッションは将来の月面基地の建設を見据えた動きの一つだ。中国は今後も研究開発を進め、米国など各国間で競争が激化する月面開発を優位に進めたい考えだ。