加工品は解釈難しい ふるさと納税返礼品で三重・松阪肉 「取り下げ」要望はせず

AI要約

松阪肉の返礼品としてふるさと納税で提供される加工品に関する問題について、松阪牛協議会の総会で明らかになったことが報告された。

返礼品の地場産品基準に関して定義されている内容や、返礼品を巡る四日市市と松阪牛協議会のやりとりについて述べられている。

松阪市長の発言や市地域ブランド課の調査結果を通じて、松阪肉の加工品における制度の問題やブランド保護の重要性が指摘されている。

加工品は解釈難しい ふるさと納税返礼品で三重・松阪肉 「取り下げ」要望はせず

 松阪牛協議会(会長=竹上真人松阪市長、生産者74人、9市町)で定めた生産区域外で、松阪肉の加工品をふるさと納税の返礼品としている団体が複数あることを28日午後1時半から三重県松阪市豊原町のJAみえなか本店であった同協議会の2024(令和6)年度の通常総会で、竹上市長が明らかにした。市地域ブランド課が確認しているのは延べ11自治体の20品目だが日々の変動もあり、正確な実数は不明。竹上市長は「(ふるさと納税自体の)制度の難しさはある」などと苦悩も口にした。

 ふるさと納税関係条文では、返礼品の地場産品基準について「当該都道府県等の区域内において生産された物品または提供される役務その他これらに類するもの」などと定義している。

 返礼品を巡っては、四日市市が「四日市で子牛を生産し育て松阪牛の生産地域で肥育」した「松阪牛」の精肉を同市の返礼品として出品。同協議会の8市町が提出した見直しを求める要望書に対し、当初は「地場産品基準や松阪牛協議会定義を満たしている」として拒んでいたが、今月21日になって森智広市長が取り下げを表明した。

 総会の会長あいさつで竹上市長は「総務省が定義しているふるさと納税と、それとはあまり関係のない商標などがある。そこの制度の難しさもあり総務省には考えてもらいたいと。松阪牛ブランドは畜産農家が頑張って作ってきた。その気持ちを理解してほしいとお願いをした」と一連の騒動を巡る対応を肥育農家らに説明。

 その上で「まだまだ問題はある。(松阪肉の)加工品については私の調べたところによると18自治体(ハンバーグ品目)ある。加工品になるとなかなか『ちょっと待った』とまでは言えない。ここの制度の難しさはあると思うが何とか生肉についてはブランドを守っていきたい」と述べた。

 市地域ブランド課によると、同課がふるさと納税のポータルサイトを巡回する中で把握している松阪肉の加工品は▶ハンバーグ=9自治体、18品目▶メンチカツ=1自治体、1品目▶コロッケ=同──の延べ11自治体、20品目。精肉とは異なり、出品自治体に対し、取り下げを積極的に求めるまでの対応は取っていない。