リニア要対策土仮置きも反対「安心脅かされる不安、住む者にしか分からない」岐阜・御嵩町住民ら決議

AI要約

リニア中央新幹線トンネル工事に絡む残土処分場計画に反対する地元自治会の総会が行われ、要対策土の仮置きに反対する決議が全会一致で承認された。

町は要対策土の恒久処分の受け入れを認めない方針を公表しており、一時保管も最小限にすることを求めている。

地元はリニア建設に反対しないが、残土処理工事の計画変更や美佐野ハナノキ湿地群の保全を求めており、町やJR東海に説明会の開催も要望している。

リニア要対策土仮置きも反対「安心脅かされる不安、住む者にしか分からない」岐阜・御嵩町住民ら決議

 リニア中央新幹線トンネル工事に絡む残土処分場が計画されている、岐阜県可児郡御嵩町美佐野地区を含む地元自治会で構成する「上之郷地区リニアトンネル残土を考える会」の総会が18日夜、同町中切の上之郷公民館で行われ、自然由来の重金属を含む要対策土の仮置きに反対する決議案を全会一致で承認した。町は要対策土の恒久処分の受け入れを認めないとするJR東海との協議方針を既に公表しているが、決議では一時保管も期間を最小限にすることを求めている。

 残土処分場計画を巡っては、町が今月10日、要対策土を受け入れず、健全土は環境保全の条件付きで受け入れを認める方針を表明。しかし、瑞浪市のトンネル掘削工事現場付近で井戸などの水位が低下した問題を受け、JR東海との協議は一時中断されている。

 考える会は、リニア建設に反対しないが、残土処理工事の計画変更を求めている。決議ではほかに、環境省の重要湿地に選定される美佐野ハナノキ湿地群の保全、町やJR東海に説明会の開催も要望している。

 纐纈健史会長は「決議は町への批判でなく、地元から出た渡辺幸伸町長を後押しするもの。安心や安全を脅かされる不安はそこに住む者にしか分からない」と話し、地元の理解を得た上でのJR東海との合意形成に期待する。近く渡辺町長に決議書を提出する予定。