奥能登に大雨特別警報

AI要約

21日の石川県内は大雨被害が発生し、能登北部で記録的な短時間大雨が降った。

多数の床下浸水や土砂災害が発生し、避難指示が出され、一人が行方不明となっている。

能登全体に警戒が必要で、馳浩知事は人命救助を最優先に呼びかけている。

能登北部で記録的な大雨が発生し、多数の住民が孤立する状況になっている。

道路が通行止めとなり、停電や交通機関への影響も出ている。

23日も激しい雨が予想され、浸水や土砂災害に対して引き続き警戒が必要である。

 21日の石川県内は午前9時ごろに「線状降水帯」が発生、能登北部で大雨となり、気象庁は午前10時50分、5段階の警戒レベルのうち最高の5に当たる大雨特別警報を輪島市、珠洲市、能登町に出した。1時間降水量は輪島で121㍉、珠洲で84・5㍉と観測史上最大を記録、3市町の計2万1458世帯に避難が指示された。12河川ではんらん、土砂崩れも相次ぎ、県によると、輪島市で1人が行方不明となっている。県は自衛隊に人命救助の災害派遣を要請した。

 能登北部を中心に強い雨が降り、記録的短時間大雨情報が相次ぎ発表された。珠洲と輪島では3時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間の降水量も観測史上最大を更新した。

 県によると、輪島市で1人が行方不明になっている。県警によると、同市で1人が生き埋めとなっているとの情報があり、同一かは分からない。同市で2人が屋根の上で手を振って助けを求めているとの情報がある。避難指示は珠洲市全域の5544世帯1万1629人、輪島市の12地区8867世帯の1万8180人、能登町全域の7047世帯1万4776人に出された。

 各地で河川がはんらんし、輪島市、珠洲市、能登町で多数の床下浸水があり、輪島市宅田町の仮設住宅では床上浸水も起きた。珠洲市の上戸町と大谷町では住民が孤立している。

 道路は国道249号と県道輪島浦上線、五十洲亀部田線が通行止めとなった。県道七尾輪島線も土砂崩れのため通行止めになっている。輪島市稲舟地区で土砂崩れが起きたとの情報もある。能越道のと里山空港インターチェンジ(IC)―穴水IC間は午前11時40分に通行止めとなった。

 停電は輪島市で3100戸、珠洲市1200戸、能登町で960戸発生。能登空港の午前の羽田便は45分遅れで到着。のと鉄道は通常通り運行している。

 金沢地方気象台によると、22日にかけて断続的に激しい雨が降る見込みで、22日正午までに予想される24時間降水量は能登で200㍉、加賀で70㍉。引き続き浸水や土砂災害へ警戒を呼び掛けている。

 県災害対策本部員会議で、馳浩知事は「能登全体で危険性が高まっている。能登半島地震で応急復旧した場所も危険性がある。人命救助を最優先にする。県民は早めの避難行動をとってほしい」と呼び掛けた。