「台湾は国連にすら入っていない。どうやってこの地域の平和と安全を守るか」石破茂氏の演説・全文掲載【自民党総裁選挙】
石破茂氏は自衛権の重要性や北朝鮮の脅威について語り、日本の安全保障について訴えた。
また、自衛隊の人員不足や装備の問題にも言及し、日本の防衛体制の強化を訴えた。
石破茂氏は総裁選での最後の戦いを強調し、日本を守るために全力を尽くす姿勢を示した。
事実上の次の総理大臣を決める自民党総裁選挙。愛媛県松山市で、18日、四国ブロックの演説会が開かれました。
日本のかじ取りや、地方の活性化策について9人の候補者は何を語ったのでしょうか?
この記事では、全候補者の9人の演説のうち、石破茂氏の演説内容全文を掲載します。
なお、自民党総裁選は今月27日に投開票が行われます。
■最後の戦いとして、この総裁選挙に全身全霊を
皆様こんにちは、石破茂であります。
最後の戦いとして、この総裁選挙に全身全霊を尽くしております。
私は、この日本を守らなければならない。それが自由民主党の、日本国政府の責任であると信じております。
今から32年も前のことになります。
1回だけですが、北朝鮮という国に行ってきました。まだ、拉致問題は表に出ていなかった。核実験も、ミサイル実験もやっていなかった。
金日成(キム・イルソン)の80歳の誕生日。
■1回見たいと思って、北朝鮮に行ってきました。
我々日本海側に育った者は、この海越えたら怖い国があると教わって育ちました。海岸には、怪しい人を見たら警察へって立て札がいっぱい立ってました。それだけ密入国が多かったんだろうと思います。
人と人でもそうですが、会いもしないで、話もしないで、嫌いだもなんだと言っても仕方がない。
1回見たいと思って、北朝鮮に行ってきました。
こんな国が本当にあるんだと驚愕しました。
徹底した反日、徹底した個人崇拝、徹底したマインドコントロール、この国は必ずいつか何かやると思いました。
私が防衛の仕事をするようになったのはそのときからです。
今朝も北朝鮮はミサイルを打ちました。
あの財政が非常に厳しい国において、何の目的を持って、こんなにミサイルを撃つのか。明確な目的があるはずです。
たくさん打てば打つほど、命中精度は上がるでしょう。飛距離も伸びるでしょう。それが着々と向上しつつある。
■台湾は、国連にすら入っていないのですよ。どうやってこの地域の平和と安全を守るか。
先ほど、中国の航空母艦が、日本の接続水域に入りました。
状況は刻々と変わりつつあります。
ウクライナはなぜロシアから侵略されたのか。NATOに入っていないからだ。
今日のウクライナは明日のアジアだ。台湾有事は日本有事だって人がいます。
ウクライナはNATOに入っていなかったから、アメリカは武力で助けてくれなかった。
台湾は、国連にすら入っていないのですよ。どうやってこの地域の平和と安全を守るか。これが日本国にとって、最大の課題であることは論を待ちません。
我々は日本を守るために、あらゆる施策を講じていかねばなりません。
じゃあ法律は十分なんですか?
領土を侵犯され、領海を侵犯され、領空を侵犯され、それに警察権で対応していいと私は全く思わない。自衛権で対応しないでどうするんだ。
装備は十分ですか。戦車が運べない輸送機、本当にいいと私は思っておりません。
松山駐屯地、皆様にお世話になっています。
自衛官は今、定数の92%しかいません。新規の自衛官は、募集の半分しか集まりません。55歳定年ですから、誕生日に定年です。
お子さんはまだ中学生。陸上自衛隊で、海上自衛隊で、航空自衛隊で、培ったいろんな能力を十分に生かせる。
そういうところに就職してもらわなければなりません。これは防衛省自衛隊だけでやればいい話ではありません。
日本国のために、政府一丸となってやっていかねばなりません。
人が足りない装備が足りない、法律が運用が間違ってる。これを根本から改めて、私は日本を守ります。