宮島へ二つ目の海底送水管敷設 断水リスク軽減 訪日客増加にも対応 2026年4月給水開始

AI要約

広島県と廿日市など14市町からなる県水道広域連合企業団が、宮島への海底送水管敷設を進めている。2026年4月に給水開始を目指し、総事業費は19億円。海底管は直径約36センチで、作業は順調に進行している。

宮島の浄水場廃止に伴い、本土から送水管を増設。海底管を通して水道施設を改善し、水の供給機能を強化する計画。住民や観光客への安定した水の供給を目指す。

宮島では1日平均1500立方メートルの水を使用するが、需要が増加。海底管は1日1500立方メートルの水を供給可能。企業団は確実な水の供給を実現するため、作業を進めている。

宮島へ二つ目の海底送水管敷設 断水リスク軽減 訪日客増加にも対応 2026年4月給水開始

 広島県と廿日市など県内14市町でつくる県水道広域連合企業団が、宮島への海底送水管の敷設を新たに進めている。島内の浄水場を廃止するのに伴い本土側からの送水管を増設。同市阿品から約2キロの海底管を通し、2026年4月の給水開始を目指す。総事業費は計19億円。同企業団が18日、宮島沿岸で見学会を開き、作業を住民たちに公開した。

 同企業団によると、海底管は直径約36センチ。腐食などへの耐久性が高く、2キロ分が一続きになっている。宮島沿岸では16日から敷設作業を開始。水深8~10メートルの海底に下ろした管を、機械で地中2メートルの深さに埋めている。18日時点で900メートル分を完了。22日には海底の作業を終え、陸上の水道管との接続などを進める。

 見学会には住民たち約30人が参加。3班に分かれて小型船で全長60メートルの作業用の台船の下へ。直径13メートルのドラムに巻かれた海底管を海面に降ろしていく作業を見守った。

 島内では現在、河川から取水する浄水場があるが、老朽化に加え、渇水時に取水量が減る課題があるため廃止を決定。本土からの送水管を2ルートに増やして断水リスクを抑える計画だ。

 宮島では通常、1日平均1500立方メートルの水が使用されている。新型コロナウイルス禍の観光客減で一時減ったが、来島者数が戻り水の需要も回復した。新設する海底管は1日1500立方メートルを送水できるという。企業団の黒上賢一工務課長は「二つの海底管で送水機能が高まる。住民や観光客に確実に水を届けたい」としている。