大の里5連勝、単独首位 先場所苦杯の隆の勝に完勝 「先のことは考えない」

AI要約

大関昇進を狙う関脇大の里が5連勝し、単独首位に立つ。琴桜、霧島、正代が敗れたことで順位が変動した。

大の里は攻めの姿勢を崩さずに完勝し、積極的な相撲を見せた。しかし、先のことには考えを巡らせず、控えめなコメントを残した。

遠藤は2連敗、輝は4敗目と苦しい立ち上がりを見せた。一方で、炎鵬は3連勝で勝ち越しに王手をかけた。

 大相撲秋場所(両国国技館)5日目の12日、大関昇進を狙う関脇大の里は東前頭筆頭の隆の勝を押し出した。これで5連勝となり、全勝で並んでいた琴桜、霧島、正代が敗れたため、単独首位に立った。場所前から「入りが大事」と語っていたが、最高の序盤戦となった。

 先場所千秋楽で、大の里は隆の勝に敗れ、2桁勝利を逃した。そのうっぷんを晴らすように、12日の取組では攻めの姿勢を崩さず、完勝するも「特に何も。先のことは考えない」と言い切った。土俵下の高田川審判長(元関脇安芸乃島)は「怖がらずに一気に出て、大の里らしい相撲だった」と褒めた。

 琴桜が敗れた結びの一番を見届けずに支度部屋を引き揚げ、報道陣から単独トップに立ったことを知らされると「頑張ります」と短く応じ、国技館を後にした。八角理事長(元横綱北勝海)は「積極的に前へ出ていた。右がのぞいたら走るし、前に出ているから安定感がある」と評した。

  ●遠藤2連敗、輝は4敗目

 東前頭8枚目の遠藤は同10枚目の玉鷲に敗れて2連敗。もろ差しで右前まわしを引いたが、玉鷲にふりほどかれ、追撃の突き出しに土俵下まで落ちた。「しょうがない。弱いからです」と苦笑した。

 西前頭11枚目の輝は同12枚目の金峰山を押し込めず、反撃に上体が起きて力なく土俵を割った。1勝4敗と苦しい序盤戦。「もっと自分の圧力をかけられる体勢で攻めないといけない」と気を引き締めた。

 西十両14枚目の欧勝海は東十両11枚目の友風との際どい一番に敗れて2敗目。鋭い出足で押し込んだが、土俵際で引き落としを食った。物言いがつくも軍配は変わらず「負けたが前に出られたので内容は悪くない」と表情は明るかった。

  ●炎鵬勝ち越し王手

 西序二段31枚目の炎鵬(金沢市出身、金沢学院大OB、伊勢ケ浜部屋)は東34枚目の安桜(安治川部屋)を寄り切って3連勝とし、勝ち越しに王手をかけた。「動きを止めて捕まえたい気持ちだった。集中してできた」と話した。