山岳事故、初心者の準備不足や低山救助増加 岐阜・下呂署協議会、御嶽山噴火での活動など紹介

AI要約

下呂署の警察署協議会が開かれ、山岳警備隊の取り組みや救助活動について説明が行われた。

会議では、山岳事故動向や御嶽山噴火の際の救助活動について報告され、初心者の事故や救助が増加している状況が明らかにされた。

赤堀匠さんによる御嶽山噴火時の救助活動の振り返りや、降下訓練の実演が行われ、救助体制や訓練の重要性が強調された。

山岳事故、初心者の準備不足や低山救助増加 岐阜・下呂署協議会、御嶽山噴火での活動など紹介

 岐阜県警下呂署の本年度2回目の警察署協議会が、下呂市萩原町萩原の星雲会館で開かれ、山岳警備隊の概要など、山に関する警察の取り組みを委員に説明した。2014年9月の御嶽山噴火で救助活動に参加した署員の話や、山岳活動で使う装備品紹介があった。また、山岳警備隊の署員による降下訓練の披露もあり、山岳地帯で市民を救う活動について理解を深めた。

 同協議会は、警察への地域住民の意見や要望を聞く場として、各署に設けられている。同署の委員は管内の市民7人が務める。

 協議会では、県内の山岳警備隊の概要を説明。県内や同署管内での山岳事故動向の説明もあり、コロナ禍以降、準備や技術不足による初心者の事故や、身近な低山での事故や救助が増えていることが報告された。

 また、10年前の御嶽山噴火で当時、山岳警備隊の一員として救助活動に当たった、同署地域課巡査部長の赤堀匠さんが当時の様子を振り返った。

 赤堀さんは噴火の翌日に岐阜県側から登山道に入り、負傷者救助に当たったという。火山灰の中を進み、胸に火山弾を受けた重傷者を8人がかりでリレーして運んだことなどを紹介。「想定外の規模で、リスク予想ができない現場だった。指揮する幹部も精神的疲労があったのでは」と活動の困難さを振り返り、「このような災害があり、現在の救助体制や装備の充実につながっている」と話した。

 降下訓練の視察は同署の庁舎に会場を移して行われ、山中の急傾斜地をロープで下りる降下技術を実演。委員からはロープの固定や、要救助者の収容といった方法について質問が出された。