国後島北側で洋上慰霊

AI要約

北方領土に眠る先祖を洋上から弔う今年度第5回の「洋上慰霊」が10日夕、国後島北コースで始まった。

洋上慰霊3年目にして初の1泊行程には、元島民や後継者53人と同行者21人の計74人が参加した。

強風と波浪が懸念されることから、同日の出港は断念し、北海道の根室港で船内泊後、11日早朝に知床岬沖へ向かう予定。

国後島北側で洋上慰霊

 北方領土に眠る先祖を洋上から弔う今年度第5回の「洋上慰霊」が10日夕、国後島北コースで始まった。洋上慰霊3年目にして初の1泊行程には、元島民や後継者53人と同行者21人の計74人が参加した。ただ、強風と波浪が懸念されることから同日の出港は断念。北海道の根室港で船内泊後、11日早朝に知床岬沖へ向かう予定だ。

 通常の国後島南コースは、国後島南西部のハッチャス崎と標津沖の中間付近で慰霊式を行っているが、2022年度に始まった洋上慰霊で今回初めて、国後島北側出身者に配慮した北側コースを設けた。

 参加者最高齢の国後島出身、福島イクさん(95)=千葉県=は「夢で島の姿が浮かぶ。祖父と兄たちが島に眠っている」と話し、娘や孫4人で船に乗り込んだ。14歳のときに島を離れたという択捉島出身の寶金和江さん(91)=函館市=は「島は空気がとてもきれいな所だった。船の上からでも、その空気を感じたい」と話した。