「広くて乗りやすい」 熊本市電初、3両編成の新型車両公開 年内にも運行開始

AI要約

熊本市交通局は新型市電の3両編成車両を一般公開し、約580人が乗り心地や利便性を体験。

21メートルの新型車両は九州最大の定員112人で、バリアフリー設備も充実。

新車両は年内に導入し、超低床電車「COCORO」の運行補完を検討中。

「広くて乗りやすい」 熊本市電初、3両編成の新型車両公開 年内にも運行開始

 熊本市交通局は8日、年内にも運行を始める市電で初めての3両編成の新型車両を一般公開した。抽選で選ばれた鉄道ファンや家族連れら約580人が乗り心地や利便性を体験した。

 全長21メートルの新型車両は大阪のメーカーが製造。定員112人で、1~2両の現行編成の1・5倍の輸送力を持つ。交通局によると、定員、車両の長さともに九州最大。

 車内は窓を背にしたロングシートを設けて通路幅を広く取り、乗客が移動しやすいようにした。車いすやベビーカーの専用スペースのほか、乗降口に手動で展開できるスロープも設けてバリアフリーに対応した仕様になっている。

 西区の上熊本車庫であったお披露目会では、熊本城をイメージした黒と白のモノトーン色の車両を展示。参加者は真新しいシートやつり革の感触を確かめたり、記念撮影したりして楽しんだ。会社員の佐藤大さん(39)、寛子さん(39)夫妻=中央区=はベビーカーに乗せた生後9カ月の子どもと乗り「スペースが広いので、周囲を気にしなくていい」と喜んでいた。

 新車両は年内に2編成を導入し、事故で運休中の超低床電車「COCORO」のダイヤを補う形での運行を検討している。交通局は6月、車両の故障や乗務員不足を理由に運行本数の1割強を減便。現在は保有する1~2両編成計45台のうち、1日最大31台を運行している。(上村彩綾)