【山形】伝えることが復旧復興に・動画で発信続ける23歳の農業青年 ボランティア団体も立ち上げ

AI要約

米どころの庄内地方での大雨による被害を受け、23歳の農家がSNSで被災状況を伝える動画を投稿。投稿は520万回を超える再生回数を記録。

動画の主人公である本多郁也さんは被災地である酒田市の農家であり、田んぼの被害を受けながらも復旧に取り組んでいる。

本多さんは被害を伝える動画を通じてSNSでの情報発信を行い、ボランティア団体を立ち上げて地域の復旧を支援している。

【山形】伝えることが復旧復興に・動画で発信続ける23歳の農業青年 ボランティア団体も立ち上げ

7月の大雨で、米どころの庄内地方には大きな被害があった。復旧復興にみなさんが汗を流す中、酒田市の23歳の農家がSNSで発信する動画が話題となっている。動画に込めた思いとは?

(動画)

「本日、自分が住んでいる山形県酒田市で記録的な大雨が発生しました。稲は浸水し、家は停電しました。避難指示も出て、道路は崩壊していました…」

大雨当日の7月25日に撮影され、SNSに投稿された動画の再生回数が520万回を超えている。

投稿したのは、酒田市の農業・本多郁也(ふみや)さん(23)。3年前に就農し、きょう(10日)も祖父母と一緒に酒田市米島の田んぼではえぬきの刈り取りを進めていた。

本多さんが所有している約35ヘクタールの田んぼの約1割で、流木や土砂が入り込むなどの被害があった。

(農業・本多郁也さん)

「こういう感じで、ここに入ってしまうと巻き込んでしまってコンバインが壊れるので、やっぱりどうしても入れない。でもこの辺は稲が生きているので、手で刈ればこのコメは助けられる」

一見、収穫期を迎えた普通の田んぼに見えるが、近づくと今も残る流木を確認できる。残った木などを引っ掛けてしまうため、この田んぼに機械は入れない。

本多さんが住む八幡地域は、7月の大雨で特に大きな被害があった。幸い自宅は水に浸からなかったが、被災した同級生もいた。

生まれ育った地域が過去に例がない被害に見舞われる中、何か自分も力になりたいと動画の発信を始めたという。

(農業・本多郁也さん)

「全国的には報道されていない。自分がSNSで発信することで、少しでも自分が力になれないかなと思って動画を投稿した」

本多さんはこれまで、大雨に関する動画を8本投稿した。総再生回数は1000万回以上で、SNSには連日、被災地を応援したいとたくさんのコメントが届く。

(農業・本多郁也さん)

「最初は“こういう被害だ”と少しでも多くの人に伝えたいという気持ちで発信したが、気が付いたらすごい反響があって。こんなに反響があるなら自分がどんどん発信して、一人でも多くの人に伝えられるように頑張りたいと思ってやっている」

そして、本多さんは自分の強みである農業の分野で力になれればと、地域の人たちと一緒に今月、ボランティア団体を立ち上げた。

(農業・本多郁也さん)

「土砂・流木があって稲が刈れないという所を、普通のボランティアではできないらしいので、自分たちのボランティアで、できない部分をやっていきたい」

本多さんたちは、機械が入れない田んぼの稲刈りを手で行おうと動いている。そして、復旧復興に必要な多くの助けを得るため、全国に“八幡の今”を発信し続けたいと話している。

本多さんが立ち上げた団体ではボランティアを募集している。詳しくは「本多農園」のインスタグラムを見てほしい。