富田林2歳女児虐待死 控訴審判決 桃田貴徳被告の控訴棄却 一審と同じ懲役6年の判決 大阪高裁

AI要約

2022年、大阪府富田林市で2歳の女の子の手足を縛ってベビーサークルに閉じ込め熱中症で死亡させた男に懲役6年の実刑判決が言い渡された。

男の関与や犯行の詳細、裁判の経過、被告の主張などが明らかにされた。

事件の背景や被害者の状況、裁判所の判断などが記されている。

富田林2歳女児虐待死 控訴審判決 桃田貴徳被告の控訴棄却 一審と同じ懲役6年の判決 大阪高裁

 2022年、大阪府富田林市で2歳の女の子の手足を縛ってベビーサークルに閉じ込め熱中症で死亡させた罪に問われている男の裁判の控訴審で、大阪高裁は10日、男の控訴を退け、一審と同じ懲役6年を言い渡しました。

 桃田貴徳被告(53)は2022年6月、内縁関係にあった小野真由美受刑者(48)(一審・懲役9年が確定)とともに、大阪府富田林市の自宅で、小野受刑者の孫の優陽ちゃん(当時2)をベビーサークルの中に閉じ込めて死亡させた罪に問われています。

 事件前、桃田被告と小野受刑者は、小野被告の四男(当時15)、桃田被告と小野被告の間にできた男の子(当時5)、小野被告の三男の子どもである優陽ちゃんと5人暮らしで、優陽ちゃんは日常的に四方を木の板で張られたベビーサークルに入れられ、手足を粘着テープで縛られるようになります。

<小野受刑者と長女のLINEのやり取り吹き替え>

長女「ガムテープなかったからぐるぐる巻きにしといた」

小野受刑者「息できる?」

長女「息は余裕。息は」

小野受刑者「了解」

 優陽ちゃんが死亡する直前に与えられたのは、2日間でコップ一杯の水のみで、この間、桃田被告と小野受刑者は2人の間にできた子どもとともに2日前からUSJに連泊し、事件当日も宿泊する予定でした。

 事件の主犯とされる小野受刑者は裁判で、「直前に桃田被告と別れ話をしているところを子どもに見られ、子どもが落ち込んでいたために喜ばせようと思って、旅行に行った。全然楽しくなかった」と話していました。

 これに対し桃田被告は、「優陽に対して非常にかわいそうなことをした。養育に積極的に協力したらよかった」と反省の弁を述べる一方で、「(日常的な監禁について)最初やりすぎだと思ったが、それ以外の方法を教えることも一緒に考えることもなかった」「私は養育に携わっていないし、部外者だ。血もつながっていない」などと無罪を主張。

 ベビーサークルに木の板をつけたり、粘着テープで縛ったりしたのは小野受刑者の発案だとし、「私はベビーサークル内に(優陽ちゃんを)入れていない」「小野受刑者とは内縁関係を解消しており、自分に養育者という認識はない」と話していました。

 2023年12月、一審の大阪地裁堺支部は「桃田被告はわずか2歳の子どもをベビーサークルの中に閉じ込めて繰り返した上、35時間置き去りにし十分な食事を与えず劣悪な環境で放置していた」、「被害者の問題行動に対応するためにベビーサークルが必要だったとしても、劣悪な環境に閉じ込めることが正当化されることはない」と指摘。

 弁護側の「桃田被告には保護責任がない」という主張に対し、「家族同様の関係を容認していて、被害者の生命身体を左右する立場で保護責任者だったといえる」と判断し、桃田被告に懲役6年の実刑判決を言い渡していました。

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