7人死傷の生野区のタクシー暴走事故 元運転手の76歳男に禁固3年判決 「独り暮らしで個人タクシーだったことが認知症のまま運転続ける要因に」大阪地裁

AI要約

去年、大阪市生野区でタクシーを暴走させ7人を死傷させた元運転手が禁固3年の判決を受けた。

斉藤被告は赤信号を無視し、6人を死亡させたほか、5人に重軽傷を負わせた過失運転致死傷の罪で問われた。

裁判では認知症を主張するも、斉藤被告の過失が認められた。

7人死傷の生野区のタクシー暴走事故 元運転手の76歳男に禁固3年判決 「独り暮らしで個人タクシーだったことが認知症のまま運転続ける要因に」大阪地裁

 去年、大阪市生野区でタクシーを暴走させ7人を死傷させたとして過失運転致死傷の罪に問われた元運転手の男の裁判で、大阪地裁は禁固3年の判決を言い渡しました。

 起訴状などによりますと、元個人タクシー運転手の斉藤敏夫被告(76)は去年3月、大阪市生野区の路上で赤信号を無視して交差点に進入し、横断歩道を渡っていた60代と70代の女性2人をはねて死亡させたほか、自転車や原付バイク、乗用車に衝突するなどして5人に重軽傷を負わせた過失運転致死傷の罪に問われていました。

 これまでの裁判で弁護側は「認知症の被告の過失を問うことはできず無罪だ」と主張していました。

 大阪地裁は判決で、斉藤被告が直前まで正常に運転できていたことを挙げ、「赤信号でブレーキを踏むという基本的な運転をする能力はあった」として、過失があったと認めました。

 その上で「斉藤被告が独り暮らしで、個人タクシーであったことが、不幸にして(認知症のまま)運転を続ける要因になったといえる」と指摘しました。

 判決後、この事故で亡くなった原井恵子さん(当時67歳)の夫は取材に対し、「二度と同じような事故を繰り返さないために、(タクシー運転手の)健康検査を厳格にするよう法整備をしてほしい」と訴えました。