要介護認定を申請するとき、必要な書類は? 調査のときは何を用意すればいい? 徹底解説!

AI要約

要介護認定の申請には基本チェックリストの提出があり、申請書は全員が提出する。

訪問調査では身体機能や認知機能について調査が行われ、家族が立ち会い、本人の普段の状態を見てもらう。

認知症の場合は、本人が緊張して普段と違う様子を見せる可能性があるため、家族と調査員がコミュニケーションを取ることが重要。

要介護認定を申請するとき、必要な書類は? 調査のときは何を用意すればいい? 徹底解説!

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前編<読めば一気に解決!!「はじめての介護」は何をどう申請すればいいか、やることをまとめてご紹介!>

要介護認定の申請に行くと、申請書のほか、最初に基本チェックリストという質問票を記入・提出することがあります。回答によって、要介護認定の申請をするかどうかを検討します。

基本チェックリストは、高齢者の生活機能の状態を把握するためのツールです。要介護認定を申請する際に記入・提出することがありますが、明らかに介護が必要な場合などは、この書類の提出は省略されます。ただし、申請書は全員が提出します。

また、基本チェックリストを記入した結果、要介護認定を申請しないことになった人でも、市区町村の総合事業のサービスを受けることができます。

要介護認定の申請のあと、介護サービスがどの程度必要なのか調査がおこなわれます。自宅にいる人は自宅へ、施設や病院にいる人はその場所へ、調査員が来ます。

訪問調査(認定調査ともいう)は、通常一人の調査員がおこないます。

役所が遠いなどの場合は、最寄りの地域包括支援センター(地域によって名称が異なる)で手続きすることもできます。

家族が立ち会い、時間は30分から1時間ほど。調査時には、とり繕ったりウソをついたりせず、ふだん通りの状態を見てもらいます。

身体機能を見るため、本人に少し動いてもらうこともありますが、できないことを無理にがんばる必要はありません。

・聞かれること

全国共通の認定調査票をもとに、身体動作や認知機能について聞かれます。

●身体機能・日常動作

体のマヒなどの有無、関節の状態、寝返りや立ち座りなどの基本的な日常の動作、視力や聴力の状態について

●心の問題

物を盗まれたと言うなどの被害妄想、感情の不安定さ、大声を出したり介護に抵抗したりする、会話が成立しないといった問題があるか、など

●認知機能

意思の伝達ができるか、自分の氏名や生年月日や年齢が言えるか、今の季節や場所がわかるか、徘徊の有無、迷子になったりするか、など

※まず、訪問の日程について連絡がある

訪問調査の日時について、事前に申請者へ連絡が来るので、都合のよい日を指定します。なお、当日までに伝えたいことをメモしておくとよいでしょう。

・訪問調査を受けるポイント

家族など、本人のようすをよく知っている人が立ち会います。

(1)伝えたいことをメモしておく

訪問調査の日までに、介護の手間についてメモをしておくとよいでしょう。これまでかかった病気や慢性疾患、飲んでいる薬などは、メモを渡すと正確に伝わります。

(2)本人が答えるようにする

家族が立ち会う場合、つい先走って答えたり、正解を押し付けたりしがち。できるだけ本人に答えてもらいます。

(3)無理をせず、いつも通りに

本人が、ふだんはできないことを無理して「できる」と言ったり、見栄をはったりしないよう注意します。

(4)できるだけ詳しく伝える

こんな状況だとできないなど、できるだけ詳細に説明します。特に困っていることは詳しく。

※認知症がある場合は

認知症があると、本人は調査員の前で緊張して、ふだんのようすと変わることがあります。家族は「きちんと見てもらえない」と気をもみますが、調査員はこうした状況はよく理解しています。その場で本人の言動を否定しないで、あとで本人のいないところで話しましょう。

終わってから話すのが難しい場合は、メモに書いて、帰り際に調査員に渡すとよいでしょう。