大分県の25年度教員採用試験、実質倍率は2.6倍 日程前倒し効果なく過去最低、初の秋選考実施へ

AI要約

大分県教員採用試験の2025年度の結果が発表され、実質倍率が2.6倍であり、倍率は前年度より低くなった。採用予定数を下回る区分もある中、秋選考も導入されている。

受験者数は前年度より減少し、合格者数も減少している。各校種別の倍率は変動しており、特に高校教員の倍率が高い。

他県教諭や土木、水産(機関)の採用予定数を満たすために秋選考が実施される。教員確保に苦労している全国各県と同様、大分県も引き続き対策を検討している。

大分県の25年度教員採用試験、実質倍率は2.6倍 日程前倒し効果なく過去最低、初の秋選考実施へ

 大分県教委は2日、2025年度教員採用試験の結果を発表した。実質倍率は2・6倍で、24年度に比べて0・5ポイント低下。平成以降では23年度と並んで過去最低となった。なり手不足が全国的に深刻化する中、民間の採用活動に対抗し、試験を約1カ月早めた効果はなかった。採用予定数を割り込んだ区分の一部で初めて秋選考を実施。「他県教諭」と高校の「土木」「水産(機関)」が対象となる。

 採用予定数は496人で24年度から15人増えたのに対して、受験者は1062人で201人減った。合格者は407人で6人の減。平均年齢は26・9歳で変わらなかった。

 校種別の実質倍率は▽小学校 1・3倍(24年度比0・2ポイント減)▽小中学校連携 3・5倍(同1・0ポイント増)▽中学校 2・8倍(同0・6ポイント減)▽高校 5・8倍(同2・6ポイント減)▽特別支援学校 1・5倍(同0・6ポイント減)―。

 採用予定数に満たなかったのは全55区分中、20区分あった。

 秋選考をする3区分のうち、県外で勤務している「他県教諭」は合格者が18人で、採用予定の51人を大幅に下回った。「土木」(採用予定2人)と「水産(機関)」(同1人)は受験者がいなかった。土木は民間との獲得競争が激しく、水産(機関)は人材自体が少ないという。

 秋選考は11、12月に県内と東京都内で開催する。教育人事課は「他県教諭は当初から秋選考も予定しており、受験控えもあったのではないか。即戦力なので採用機会を増やしたい」と説明する。

 教員確保は各県とも苦労しており、秋選考は他県でも増えている。大分県教委は26年度も必要に応じて実施する方針。

 26年度の採用試験は、25年度と同時期の6月15日を予定している。

 同課の吉田英徳採用試験・免許管理監は「国からはさらに試験時期を早める要請があるが、現場の混乱を招くので難しい。人材獲得に向け、引き続き教職の魅力発信に努める」と話す。

 その他の区分別合格者数は次の通り。カッコ内は24年度との比較。

 【一般選考】▽小学校 160人(増減なし)▽小中学校連携 4人(4人減)▽中学校 105人(3人増)▽高校 53人(7人増)▽特別支援学校 40人(3人増)▽養護教諭 10人(3人減)▽栄養教諭 1人(増減なし)

 【特別選考】▽障害者 0人(1人減)▽社会人 4人(2人増)▽スペシャリスト 1人(1人増)▽元県内正規教諭 0人(4人減)▽教職大学院修了(予定) 11人(2人増)