仙台城跡「伝統工法と現代工法のハイブリッドで強い石垣を」年度内の工事完了目指し積み直し本格化

AI要約

2021年と2022年の地震で被害を受けた仙台城跡の石垣が修復作業中で、耐震性を強化して2024年度末に完了を目指している。

積み直し作業では伝統工法を用いつつ、現代の技術も取り入れている。

復旧にかかる費用は10億円で、市民からの寄付も行われている。

仙台城跡「伝統工法と現代工法のハイブリッドで強い石垣を」年度内の工事完了目指し積み直し本格化

仙台城跡では、2021年と2022年の地震で大きな被害を受けた石垣の修復に向け、8月から積み直し作業が始まりました。

補強ネットを敷くなど耐震性を強化させ2024年度末の完了を目指しています。

仙台市文化財課 鈴木亨さん

「ここは崩壊まではいかず変形したところ。解体・調査が終了して一段目から積み直しを始めた」

2021年と2022年の地震で崩落や変形などの被害が出た仙台城跡の石垣。

特に被害の大きかった本丸北西の石垣では8月19日から積み直しが始まり、2日も職人がバールを使って石の角度や高さを調整していました。

小笠原悠記者

「石垣が崩れた本丸北西側。大きい石だと2、3トンにも及ぶそうです。そしてこれから積み直しされる石が並んでいます。石の表面には番号が書いてあります。この番号が積み直しをするうえで重要なポイントとなります」

番号は、石垣の場所を示すもので東日本大震災で被災した際に一つ一つの石に振られました。

今回もこれを基に、伝統工法で石を元の場所に戻していきます。

さらに、耐震性を強化するため現代の技術も取り入れています。

仙台市文化財課 鈴木亨さん

「ここにあるのが補強ネット。これを敷くことで隙間を埋めている石が地震の時に揺すられても移動しないように。東日本大震災の時にも敷いていたがそれでも変形したので、ネットを敷くことにプラスして盛り土部に打った鉄筋と連結させることで耐震性を上げる」

復旧にかかる費用は10億円で、仙台市教育委員会はクラウドファンディングも行い2000万円以上の寄付が集まりました。

仙台市文化財課鈴木亨さん

「昔ながらの工法に現代の工法を加えてハイブリッドな形で強い石垣に直せれば。市民の期待も背負って日々努力して一生懸命やっていきたい」

仙台市教委は、2024年度末の工事完了を目指し積み直しの作業を進めていく方針です。