「防災の日」を前に…都内で進む災害への備え

AI要約

東京都内で災害時の水不足に対処する新たな取り組みが始まった。

水道機工が造水装置を被災地に設置し、安全に水を供給する準備を進めている。

八王子市では若手職員を対象に避難所の研修を実施し、円滑な避難所設営を目指す。

「防災の日」を前に…都内で進む災害への備え

9月1日の「防災の日」を前に、東京都内では災害への備えが進められています。今年発生した能登半島地震でも長く被害が続いたのが断水による水不足です。こうした災害時の水不足に対処するため、都内の企業が新たな取り組みを始めました。

水道設備の工事や管理をする東京・世田谷区にある水道機工は専門組織を立ち上げ、国や自治体と連携して、災害時に処理されていない水を人が使えるように浄化する「造水装置」を被災地に設置します。

能登半島地震や東日本大震災で使用されたことのあるこの装置は、河川の水やプールにためられた水の細菌や大腸菌を除去して、飲用水や生活用水として安全に使用できるようにします。1時間に最大2トンの水をろ過することが可能で、1日におよそ1500人分の水を供給できるということです。担当者は「ペットボトルの水でいちいち風呂に入ることもできない。特に生活用水に必要不可欠な装置だと考えている」と話しています。

一方、都内の自治体でも災害への備えが進んでいます。八王子市は「防災の日」を前に、市の若手職員らを対象に避難所の開設や運営のノウハウを習得するための研修を実施しました。研修では、参加したおよそ50人の職員が避難所開設の手順について説明を受けたほか、仮設トイレや簡易テントの設置方法を確認しました。八王子市の初宿市長は「職員は場合によっては1人で避難所設営に当たらなければならない場面もあるかもしれない。そんな中で円滑に設営・運営ができるようなスキルを身に付けてほしい」と語りました。