長野県の塩尻・桑の湯の雰囲気再び 営業終了の銭湯で写真展

AI要約

 6月末に95年の営業を終えた塩尻市内唯一の銭湯・桑の湯で行われた写真展「つなぐ」が26日、開幕した。カメラマンによる約30点の作品が展示され、館内での思い出が甦る機会となった。

 撮影された写真には、風呂に入る常連客やスタッフの様子が収められており、来場者は再び桑の湯の雰囲気を楽しんでいる。営業終了後も銭湯が人々に愛された証となった。

 経営者や事業継承者は展示の成功を喜び、次世代への期待を示している。閉業した桑の湯が未来につながるきっかけとなることを願っている。

長野県の塩尻・桑の湯の雰囲気再び 営業終了の銭湯で写真展

 6月末に95年の営業を終えた塩尻市内唯一の銭湯・桑の湯(大門一番町)で24日、営業終了までの主に3日間に館内で撮影された写真展「つなぐ」が始まった。名古屋市のカメラマン・駒田匡紀さん(53)が撮影した作品で、25日、31日、9月1日の週末4日間限定で約30点が並ぶ。「再び桑の湯の雰囲気を味わって」と来場を呼び掛けている。

 写真は2L~B1判で、風呂に入る常連客や廃材のまきを使う釜場、スタッフの集合写真もある。月2回程度利用してきたという安曇野市穂高の会社員・太田伸夫さん(60)は「お湯が軟らかく、スタッフもやさしく雰囲気も良いしホッとする場所だった」と話した。

 駒田さんはカタログ製品や店舗案内の撮影を手掛け、鉄道の廃止路線に関する写真集なども出版している。インターネット上の新聞記事を通じて桑の湯に興味を持ち、閉業の節目を記録した。駒田さんは「(経営者が)仕事やお客さんを大事にする姿勢と、お客さんも風呂を大事にしていることに感動した。1枚の写真で思い出す機会や人が集まるきっかけにもなる」と語る。

 4代目経営者の桑澤弘幸さん(53)は「風呂の準備はできないが、一人でも多くの人に見てほしい」とする。事業継承者の決定手続きも進行中で、「次につなぐ期待もしている」と語る。午前11時~午後6時。入場無料。桑の湯Tシャツやせっけん、瓶に入った牛乳の販売もある。