岩徳線と山陽線、バイオディーゼル燃料で全国初の走行試験 JR西、岩国―徳山間で9月3日から

AI要約

JR西日本中国統括本部は、岩徳線・山陽線で廃食油を元にした燃料を使用した列車の営業走行試験を始める。

次世代バイオディーゼル燃料を使った列車が客を乗せて走るのは全国初で、CO2排出削減への取り組みの一環。

JR西日本は50年にグループ全体のCO2排出量を実質ゼロにする目標を掲げ、今回の試験では120トンの排出削減を見込んでいる。

岩徳線と山陽線、バイオディーゼル燃料で全国初の走行試験 JR西、岩国―徳山間で9月3日から

 JR西日本中国統括本部は23日、山口県の岩国―徳山間の岩徳線・山陽線で9月3日から、廃食油などを元にした燃料による列車の営業走行試験を始めると発表した。非電化路線は軽油を主燃料としており、軽油の代替になる次世代バイオディーゼル燃料だけを使った列車が客を乗せて走るのは全国初という。

 二酸化炭素(CO2)排出削減に向けたJR西日本の取り組みの一環。来年1月31日まで走らせてエンジンなどへの影響を確認し、同社管内の路線での来年度以降の本格運行を目指す。広岡研二広島支社長が山口市で記者会見し、「環境に有益な取り組みだと思っている」と説明した。

 次世代バイオディーゼルは、家庭で使われた食用油や食品加工の際に出た油を精製した燃料。植物由来の原料を使っているためCO2排出が実質ゼロとみなされ、軽油などの化石燃料と混ぜなくてもそのまま使える。岩徳線・山陽線では2両編成で1日3往復程度運行する見通しとなっている。

 同社は50年にグループ全体のCO2の排出量を実質ゼロにするとの目標を掲げている。今回の走行試験では期間中に計120トンの排出を削減できると見込んでいる。