若者目線で取材発信 学生特派員、静岡県の事業掘り下げ 記事や動画で理解深める

AI要約

静岡県は、県内の大学生らを起用した「ふじのくにメディアチャンネル学生特派員」による記事や動画の公開を通じて行政を広くPRする取り組みを2023年から行っている。

学生特派員は、県公式ホームページ内の「ふじのくにメディアチャンネル」で県事業を掘り下げる記事配信や動画チャンネルへの投稿を担当し、幅広い分野の県事業について取材を行い発信している。

活動開始後は、記事や動画の閲覧数が増加し、県民目線の発信が増えてきており、県職員も手応えを感じているとしている。

若者目線で取材発信 学生特派員、静岡県の事業掘り下げ 記事や動画で理解深める

 静岡県は、市町に比べて接点が少ない県の行政を広くPRしようと、県内の大学生らを起用した「ふじのくにメディアチャンネル学生特派員」による記事や動画の公開に2023年から取り組んでいる。若年層の県外流出が静岡県の課題となる中、若者目線で身近な県政を発信するだけでなく、特派員自身が県への理解を深め、継続的な発信者になることを目指している。

 学生特派員は、県公式ホームページ内の「ふじのくにメディアチャンネル」で県事業を掘り下げる「フカボリ#県民だより」の記事配信や、動画チャンネルへの投稿を担う。年間1人5本を目標に、多彩な分野の県事業について県職員、県民、企業・団体を取材し、発信する。テーマ選定は各部からの依頼以外に、学生が興味あるテーマや取材先を選ぶ。23年1月に5人が委嘱を受け、24年度に6人が加わった。静岡大、県立大、常葉大、静岡産業大、沼津高専の3、4年生の11人が活動する。

 学生特派員の常葉大教育学部3年の大石新菜さん(20)=焼津市=は7月中旬、「以前から興味があった」という規格外野菜や果物のジェラートを提供する「おりじなる・すまいる」(静岡市葵区)を取材した。県SDGs認証制度のゴールド認証飲食店の取り組みや、メニュー作りの工夫を聴いた大石さんは「社会問題の解決に学生も参加できる取り組み。つながりを大切にする店の思いや多彩なメニューを伝えたい」と記事執筆に意気込んだ。オーナーの安本昌隆さん(38)は「浅間通りに若者を呼び込む上で、学生さんの発信はありがたい」と喜んだ。

 県広聴広報課によると、活動開始後の半年間で記事16本、動画1本を公開した。記事の閲覧数は23年度に職員が取材・執筆した記事の2倍ほど多く、昨年度公開した動画の中で、特派員が出演や制作した動画は他に比べて閲覧数が2倍以上と、県職員も手応えを感じる。同課の山本正晃さんは「県民目線の発信が増えた。学生が県や県政への興味を深め、将来、静岡県とつながる活動をしてもらえたら」と期待を込める。

(政治部・青島英治)