【北海道警ヤジ問題】最高裁が大杉雅栄さんと北海道の上告棄却 桃井希生さんへの賠償認めた札幌高裁の判決確定へ

AI要約

最高裁が、2019年の参院選で安倍晋三総理にヤジを飛ばした市民が警察に排除された問題に関する判決を下した。

最高裁は大杉雅栄さんと北海道の上告を退け、札幌高裁の賠償認定が確定することになった。

北海道警は最高裁の決定を受け入れ、今後の警護の万全を期すとコメントした。

 2019年の参院選で、当時の安倍晋三総理にヤジを飛ばした市民が警察に排除された問題で、最高裁が結論です。

最高裁は19日付けで、大杉雅栄さんと北海道の上告をそれぞれぞ退けました。

桃井希生さんの排除を違法として賠償を認めた札幌高裁の判決が確定することになります。

20日午前10時ごろ、原告側弁護団の元に最高裁から上告棄却を知らせる書類が届きました。

 原告側弁護団 小野寺信勝弁護士(20日午前)

「最高裁は事実認定が原則争えなくて、大杉さんに関しては事実認定で負けているところなので厳しい判断は覚悟していたが、あの事実認定がそもそもおかしいところがあるので、最高裁としては、そこに何らかのメスは入れてもらいたかったというのと、この件で、警職法上の排除ができるという認定になってしまったので、今後の選挙の時のヤジであるとか、抗議行動に関する影響が生じないかなという懸念はあります」

この問題は、2019年7月、参院選でJR札幌駅前で演説していた当時の安倍総理に、大杉雅栄さんや桃井希生さんがヤジを飛ばし、北海道警の警察官に排除されたものです。

 

 警察官らの行為が「表現の自由の侵害に当たる」としてあわせて660万円の賠償を北海道に求める訴えを起こし、1審の札幌地裁は北海道警の行為を違法として、北海道にあわせて88万円の賠償を命じました。

しかし2審の札幌高裁は、桃井さんについては、1審と同様に表現の侵害に当たるとして賠償を認めたものの、大杉さんに対してはヤジを飛ばしたことで周りの聴衆と暴行を受ける危険性があったため、避難させたなどとする北海道警側の主張を認めて、訴えを退けました。

 

 大杉さんと北海道がそれぞれ上告していましたが、最高裁はいずれも上告を棄却し、これで2審の判決が確定することになります。

 これを受けて、北海道警は「最高裁の今回の決定について、(桃井さんに関して)当方の主張が認められなかったと受け止めている。今後は最高裁の決定を真摯に受け止めて、今後の警護の万全を期したいと考えております」とコメントしています。