やじ排除で賠償命令確定 55万円、道警側上告退ける 最高裁

AI要約

2019年参院選での安倍晋三元首相の応援演説にやじを飛ばした女性が、警察官に排除され精神的苦痛を被り、最高裁が道側の上告を退ける決定をした。

女性は安倍元首相の演説中に大声で抗議し、警察官に肩や腕をつかまれ、1時間にわたり付きまとうなどされる。警察官の行為が違法と認定され、道に賠償金が命じられた。

二審判決を受けて、表現の自由を侵害したとして道に55万円の賠償が確定し、警察官の行為の不当性が明確に示された。

 2019年参院選での安倍晋三元首相の応援演説にやじを飛ばした札幌市の女性が、北海道警の警察官に排除され精神的苦痛を被ったとして道に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(深山卓也裁判長)は19日付で道側の上告を退ける決定をした。

 裁判官5人全員一致の意見。表現の自由を侵害したとして道に55万円の賠償を命じた二審判決が確定した。

 二審札幌高裁判決などによると、女性は19年7月、安倍元首相がJR札幌駅前で行った街頭演説の際、「増税反対」「自民党反対です」などと大声を上げた。警備に当たっていた警察官は肩や腕をつかんで場所を移動させたほか、計約1時間にわたり付きまとうなどした。

 同高裁は、警察官の行為が不当な心理的圧迫を与えたなどとして違法性を認定。表現の自由を侵害したとも指摘し、道に55万円の賠償を命じた一審札幌地裁判決を支持した。